名将の最後の夏終わる 日大東北・宗像監督「思い出深い期間」
本県高校野球の一時代を築いた名将の最後の夏が終わった。今夏限りで勇退する日大東北の宗像忠典監督(59)は「いろいろなことがあり、思い出深い期間を過ごせた」と振り返った。
「甲子園は怖い場所」。福島大会で優勝した後、宗像監督が選手に何度も伝えてきた言葉だ。過去の大会ではサヨナラ負けなども喫し、全国の高い壁に阻まれてきた。前回出場した2003年までは県勢の初戦敗退が続いていた。抽選会で対戦が決まった相手チームから勝利を確信して喜ばれるという屈辱も経験した。
この試合ではベンチの最前列に立ち、メガホンを使って大声で指示を出した。31年ぶりの勝利に人一倍の執念を見せただけに、敗戦に「やっぱり悔しい」と唇をかんだ。新チームにはベンチ入りした1、2年生7人が残る。「一生懸命努力して今度は甲子園で勝てるようなチームをつくってほしい」。そうエールを送り、甲子園に別れを告げた。