【夏の王者復活、聖光学院V(上)】冬の練習は打撃8割 攻撃力に磨き

 
優勝報告をするナインら=28日

 全国高校野球選手権福島大会で王者に返り咲いた聖光学院。昨夏、甲子園への連続出場が13で止まり、雪辱を誓ったチームは一丸となってレベルアップを図り、頂を手にした。その強さの秘密を引き出しながら、甲子園で勝ち進むための鍵を探る。

 「選手たちが進化しようと、日々工夫を凝らしてきたことが優勝につながった」。28日に同校で開かれた優勝報告会で、斎藤智也監督は生徒や教職員を前にチームの成長をそう表現した。

 「打てなきゃ面白くない」。昨秋の時点で指揮官は攻撃力の弱さを感じていた。昨年の秋季県大会で優勝したものの、打率が2割5分7厘と振るわず、薄氷を踏む勝利の連続だった。

 そこでナインは「打撃力の向上」をテーマに掲げた。冬の練習は打撃を8割、守備を2割と攻撃に力を入れた。「バットを握っていなかったのは、学校の授業中ぐらいと言ってもいい」。今夏の大会で打率が5割を超え、チーム最多の9打点を挙げた伊藤遥喜(3年)は振り返る。

 日々気持ちを切らさずにやってきた練習の成果が、夏に現れた。チーム打率は3割7分1厘と秋から大きく飛躍。全6試合で6点以上を挙げ、そのうち3試合でコールド勝ちを収めるなど、攻撃力が光った。「秋の結果があったからこそ、妥協せずにここまでやってこられた」。伊藤はチームのここまでの努力に胸を張った。

 そんなナインを斎藤監督は「赤点を取っていた選手が80点を取るとは思わなかった。よくここまで伸びた」と評価する。

 課題だった打撃に磨きをかけ、驚異の成長力を見せた聖光学院ナイン。チームの目標である「日本一」に向け、一つ階段を上がった。

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