聖光エース・佐山、無失点救援 味方の好守に「感謝」

 
【日大三―聖光学院】5回途中から登板し、無失点に抑えた聖光学院のエース佐山

 兵庫県西宮市の甲子園球場で9日に1回戦4試合が行われた第104回全国高校野球選手権大会第4日。第2試合に登場した福島県代表の聖光学院は4―2で日大三(西東京)との接戦を制した。

聖光学院の試合結果

 自己最速タイ142キロをマーク

 守備の好プレーにもり立てられたエースが、相手の強力打線を無失点に抑えた。「仲間には感謝しかない」。5回途中から登板した聖光学院の佐山未来(3年)は信頼する仲間への思いを口にした。

 5回1死三塁。試合の行方を左右しかねない重要な局面でマウンドに立った。「相手打者のタイミングが合っていると判断した。イニングの途中ではあったが、迷わずに代えた」。斎藤智也監督は、粘投を続けていた先発小林剛介(同)から佐山への継投を決断した理由をそう明かす。

 「ピンチはピンチ。いつも通りでいこう」と自分に言い聞かせ、臆することなく立ち向かった佐山。味方の好守に助けられ、この回を無失点にしのいだ。

 佐山はこの試合、自己最速タイとなる142キロをマーク。「甲子園のマウンドは体に力が宿る感覚がある。いつも以上に力を出せた」と振り返った。

 一方で、佐山がこの試合で奪った三振はわずか一つ。登板した5回と三者凡退に抑えた8回を除いて、毎回走者を許すなど、苦しい投球が続いた。

 それでも、味方を信じて腕を振り、打たせて取る投球で本塁を踏ませなかった。最終回は一発を浴びれば、同点の場面。この試合3安打を放っている日大三の藤巻一洸(いっこう)(同)を捕手の要求通りの変化球で内野ゴロに仕留めた。

 次の相手は甲子園で春夏5度の優勝を誇る横浜(神奈川)。3月の練習試合で聖光学院が勝っているが、斎藤監督は「うちはセンバツの直前で、相手はシーズンに入ったばかりだった。参考にならない」と話す。

 佐山は「相手がどこであろうと変わらない。全力で立ち向かう」と、強豪撃破へ闘志を燃やした。(津村謡)

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