聖光・赤堀「夏終わらせない」 3戦連続先頭安打、チームに勢い

兵庫県西宮市の甲子園球場で16日に3回戦4試合が行われた第104回全国高校野球選手権大会第11日。本県代表の聖光学院は敦賀気比(福井)に8―1で快勝し、6年ぶりにベスト8に進出した。
主将・赤堀、守備で救う
主将の躍動感あふれるプレーがチームに勢いをもたらした。「絶対に負けたくないという思いだった」。聖光学院の赤堀颯(はやと)(3年)は2安打2打点、守っては遊撃手として再三にわたる好守。人一倍強い覚悟で試合に臨み、甲子園の広いグラウンドを駆け回った。
昨秋から常に1番打者で起用され、「どんな形でも必ず出塁するという気持ちで打席に入っている」と赤堀。初回、その言葉通り3試合連続となる第1打席での安打で出塁。先頭の役割を果たすと、後続の適時打で先制のホームを踏み、攻撃の口火を切った。5回2死一、二塁の好機では右翼線に2点適時三塁打を放ち、一気に畳みかけた。
守備でもチームを救った。8―1で迎えた7回無死二、三塁のピンチ。中間守備で鋭い打球をさばくと、「スタートが遅いのが見えた」と冷静に本塁に送球し、三塁走者の生還を阻んだ。さらにこの回は左翼線のファウルゾーンに飛んだ打球を背走しながら捕球し、相手の反撃の芽を摘んだ。
赤堀は甲子園で対戦した相手チームの思いも背負って戦っている。この試合には、今大会1回戦で戦った日大三の主将寒川忠(同)が応援に駆けつけた。中学時代に所属したオール枚方ボーイズ(大阪府)のチームメートで、試合前日の夜には「頼んだぞ」と連絡を受けた。応援を力に変え、試合を戦い抜いた。
次戦は聖光学院として初の4強進出が懸かる。「また次の試合ができることに感謝したい。自分たちの夏を終わらせない」と赤堀。頼もしさを増したチームの精神的支柱が未踏の舞台へ導く。(津村謡)
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