【聖光4強・飛躍の夏(7)】新チーム始動 悲願へ紡がれる意志

 
準決勝の最終回の打席でバットを振る赤堀。ユニホームを泥だらけにして、最後まで闘志むき出しでプレーした=20日、甲子園

 甲子園でベンチ入りした聖光学院の選手18人のうち、県外の中学出身の選手は15人に上り、大半を占めている。ただ、聖光学院は選手のスカウトは行っていない。県外出身者はいずれも、自ら希望して聖光学院に来た。

 「ユニホームをどろどろにしながら練習している姿を見て、こういう野球をしたいと思った」。京都府出身で、甲子園で主将を務めた赤堀颯(はやと)(3年)は、聖光に進学した理由をそう語る。

 中学時代は、硬式野球の強豪クラブチームのオール枚方ボーイズ(大阪府)に所属。甲子園の1回戦で対戦した日大三主将の寒川忠(3年)は当時のチームメートだ。2人は初めはいずれも内野手だったが、寒川が二塁手のレギュラーとなり、赤堀が外野手に転向した。「寒川の方が実力が上で、すぐに転向を命じられた」と赤堀。中学では悔しさを味わいながら成長した。

 聖光学院に入り、新たな仲間と努力を重ねた。「実力が上の選手が常に近くにいたからこそ、ここまで来られたと思う」。甲子園でエールを送っていた赤堀の父匡さんは、チームの中心として活躍する息子の姿に目を細めていた。

 聖光の野球にほれ込んで入部してくるのは、中学時代に輝かしい成績を残した選手ばかりではない。親元を離れて野球に打ち込み、仲間と寝食を共にしながら技術を磨いた。そして今回、甲子園出場を勝ち取り、準決勝まで5試合にわたり気迫あふれるプレーを披露した。その「泥くさい野球」に憧れる日本のどこかの野球少年がまた、いつの日か聖光学院の門をたたくだろう。

 新チームは25日、昨秋からレギュラーを務め、甲子園で二塁手として攻守にわたって活躍した高中一樹(2年)を新主将に本格始動した。高中は「3年生が残してくれたものを大切に、全国の舞台を目指せるチームをつくる」と覚悟を示した。

 先輩の意志を受け継いだ新チームは、県勢悲願の甲子園初優勝を果たすために一歩ずつ進んでいく。(この連載は副島湧人、坂本龍之、高橋由佳、熊田紗妃、津村謡、鈴木健人が担当しました)

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