【21世紀枠・磐城センバツへ】芽生えた自主性!子どもに野球教室

 
野球教室を通じて、子どもたちに野球の楽しさを伝える部員たち

 「野球やりたい人集まれ」。磐城高近くにあるいわき市の平一小では、部員たちの声が響く。磐城は昨年春ごろから、野球の競技人口拡大と地域貢献を目的に野球の普及活動に取り組んでいる。「野球の楽しさを感じてほしい」と始めた野球教室。いわき地区の中で先駆けて始めた活動は、他校でも少しずつ広がりを見せている。

 いわき地区では、東日本大震災以前の2010(平成22)年には17校が夏の福島大会に出場していた。しかし、震災後は部員不足による休部や連合チームの結成が相次ぎ、昨年秋の地区大会出場は11チーム(14校)にまで減った。多い時には1学年20人以上の部員がいた伝統校の磐城も例外ではない。少子化の影響を受け、現在は1、2年生合わせて選手19人と少数だ。

 野球離れを防ごうと高野連などが掲げた「高校野球200年構想」を受け、監督の木村保(49)らが普及活動を提案した。「底辺拡大のためやれることをやりたかった」。木村が一昨年ごろから調整を重ねて実現した。

 部員は2週間に1回ほど訪問、学童保育の子どもに参加を呼び掛け、野球を教えている。「ぼくやりたい」「私も」。校庭には子どもたちの元気な声が響く。部員たちが見守る中、子どもたちが打席に入ったり、守備で懸命に白球を追う。

 「習い事の日をずらす子もいるほど野球を楽しみにしている」。学童保育の担当者も部員の地道な活動を歓迎している。良い守備が出ると、部員が「ナイスプレー」とほめる。楽しんでプレーできる環境が少しずつ出来上がってきた。

 最初はルールや基本動作も知らなかった子どもたち。どう野球を楽しんでもらうか、部員同士で何度も話し合い、基礎から段階的に教え、こまめに声を掛けることを意識するようになったという。

 教育関係の職業を志望する三塁手首藤瑛太(1年)は「最初は、ボールを打てない子が多かったが、打てるようになってきた。貴重な体験になっている」と声を弾ませる。

 監督の木村は野球教室を通じた部員の成長を実感する。教え方を考える中で部員の視野が広がり、自主性が出てきたという。「伝えることの難しさとうれしさを知り、相手を思いやる気持ちが育っている」。プレーにつながる成長があった。(敬称略)

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