【21世紀枠・磐城センバツへ】守り勝つ野球!準V以来『神髄』

 

 磐城の野球部は1906(明治39)年創部と、いわき市内で最も長い歴史を誇る。63年に春夏通じて全国大会での県勢初勝利を挙げたほか、71年夏には優勝候補の一角・日大一(東京)を下すなど快進撃で準優勝し、県勢最高成績を残した。現在も部員たちは110年以上に及ぶ伝統を重んじながら、自主性を尊重し力を磨く。

 投手と守備陣の粘り強さで失点を最小限に抑えるのが「磐高野球」の神髄。守り勝つ野球を追求する。甲子園で勝利した7試合は、いずれも2失点以下に抑えている。

 準優勝した71年夏のメンバーで県高野連顧問の宗像治(66)=当時2番、センター=は「厳しい練習で守備を磨いた」と、素手でノックのボールを捕るなどの練習に打ち込んだ高校時代を振り返る。過酷な日々を経験した分、「自分たちのやっている練習は日本一厳しい。試合の方が練習より楽だ」と自信が芽生えたという。この大会では初戦から決勝途中まで4試合で連続33イニング無失点を継続した(決勝7回裏に失点)。

 2015年の木村保(49)の監督就任後は、何事にも全力で取り組むという「Play Hard(プレーハード)」をスローガンに掲げてきた。現チームは、昨年秋以降に送球や捕球の基礎練習に徹底して取り組み、守備力を強化。一方、選手の考えた練習メニューを導入するなど自主性を重んじ新しい風も吹き込ませている。

 練習の内容や時間にも柔軟性を持たせている。テスト期間を控えた27日には、約10日間部活動ができなくなることを想定し、走り込みや綱引きなど16種のメニューを間髪入れずに繰り返す、負荷の大きい「サーキット」練習に励んだ。マネジャーの遠藤百恵(2年)は「一人一人が考えて練習している」とサポートする立場から選手を見つめる。毎日の練習は、昼休みに主将の岩間涼星(同)が木村と相談して内容を詰める。「選手に自分から考えさせることが成長につながる」と木村。選手の自主性を引き出すことで、成長につなげている。(敬称略)

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