【聖光、聖地へ・4年ぶりセンバツ(下)】食べて鍛え飛ばす冬

 
室内練習場で打撃練習に励む聖光学院ナイン

 「打てなきゃ面白くないからね」。斎藤智也監督は1月28日のセンバツ発表後の取材でこう語った。秋季県大会と東北大会を合わせた10試合のチーム打率は2割6分6厘。5点以上取ったのは半分の5試合、そのうち2桁得点は東北大会準々決勝の1試合のみだった。

 そこでナインは今年の冬の大きなテーマに「打撃力の向上」を掲げた。室内練習場で約14メートルの近い距離からマシンを使っての打撃練習や斎藤監督直伝のティー打撃メニューなどをこなす。降雪が多く、実戦練習がままならないが工夫を凝らしている。「理想はヒット5本で5点取れるくらいの打線」。赤堀颯主将(2年)は言葉に力を込めた。

 体づくりにも力を入れている。1食に1キロのコメを食べることをノルマとしているが、赤堀は「1キロ以上を自主的に食べている人が多い」とチーム全体の意識の高さを強調する。ウエイトトレーニングも定期的に取り入れ、体を一回り大きくした部員も。東北大会前と比べて11キロ増量したという山浅龍之介(2年)は「筋力がついてきたこともあり、チーム全体として打球の飛距離が伸びてきたと思う」と成果を実感している。

 投手の2枚目以降の台頭も鍵を握る。昨秋は県大会から10試合中9試合に登板したエース佐山未来(2年)が大黒柱の活躍。東北大会決勝で登板した小林剛介(同)が4失点完投と一定の評価を示したものの、投手陣全体の底上げも必要不可欠だ。小林は球種を増やすなどし、「センバツ初戦の先発を狙う」と闘志を燃やす。佐山も「日本一の投手陣を目指す」と切磋琢磨(せっさたくま)し合っている様子だ。

 センバツ開幕まで50日足らず。全国制覇を狙うナインは万全な状態で甲子園に乗り込む覚悟だ。

 (この連載は熊田紗妃、坂本龍之が担当しました)

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