聖光...試合巧者ぶり、エース佐山 要所締め完投、打線もつながる

第94回選抜高校野球大会第2日は20日、兵庫県西宮市の甲子園球場で1回戦3試合が行われ、聖光学院は二松学舎大付(東京)に9―3で快勝し、2回戦に進出した。
【評】聖光学院が相手の隙を逃さず、試合巧者ぶりを発揮した。初回、四死球で1死一、二塁とすると山浅、安田の連続適時打などで3点を先制した。5回には、相手のミスに乗じて走者をため、佐山や三好の長打などで打者11人がつなぎ、6点を挙げて突き放した。先発佐山は要所を締め、3失点完投を果たした。(佐藤智哉)
佐山、93球で勝利に導く
憧れのマウンドでも聖光学院のエース佐山未来(3年)は浮つかなかった。「自分にできるいつも通りの投球をしようと思っていた」。勝利に導くわずか93球での完投を振り返った。
表情を変えず淡々と球を放った。外角へのスライダーで右打者のバットを振らせ、打者の手元でわずかに変化する球で凡打に打ち取る。冬場の練習で回転数を上げた直球も威力十分だった。五回に代打で登場した中学時代のチームメートとの対戦は3球三振に仕留めた。「うれしかったけど、『プレー』の声が掛かってからは集中した」。甲子園に立つために親元を離れ、磨いた投球で退けた。
物心つく頃に甲子園は特別な場所となった。「甲子園は見るものじゃない。行くものだぞ」。宇都宮学園(現文星芸術大付)で1995年の夏の甲子園大会に出場した父正和さんは、小学1年から野球を始めた息子にそう諭した。東京神宮リトルシニアで全国レベルの投手に成長した息子も、その言葉を忘れなかった。中学の全国大会に出場した際、チームの好意で甲子園で試合を観戦する機会があったが、佐山は1人拒んで球場に入らなかった。「絶対に自分の足で甲子園の土を踏む」。その思いがあった。
昨秋の県大会、東北大会では9試合で63イニングを投げ、防御率は1・00。大会前から注目投手に名前が挙げられていた実力を初戦で見せつけた。甲子園は憧れの場所ではなく戦いの舞台。「次も自分にできることを最大限に頑張りたい」。佐山はすでに次戦を見据えた。(坂本龍之)
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