聖光、感謝の1勝 学校被災「残ったメンバーが心配だった」

20日に行われた第94回選抜高校野球大会の1回戦で二松学舎大付(東京)に9―3で快勝し、第90回大会に続く初戦突破を果たした聖光学院。4年ぶりのセンバツで1勝をもぎ取ったナインは、16日の地震発生時、学校の寮にいた仲間への感謝の思いを胸に聖地で躍動した。
16日深夜の本県沖を震源とする最大震度6強の地震では、学校所在地の伊達市も大きな揺れに襲われた。登録メンバーを含む約30人の部員はすでに大阪入りしていたため影響はなかったものの、同校の寮には30人以上の部員が残っていた。「残っているメンバーが心配だった」。赤堀颯主将(3年)は当時の心境を振り返った。
学校は教室の天井の一部が剥がれたり、図書室の本棚が倒れたりするなどの被害があった。
地震発生翌日の17日。現地に残っていた野球部の寮生は学校の片付けに加わった。校長室や図書室の片付けなど約4時間、精力的に作業した。その状況を知った赤堀は「みんなに感謝してプレーできればいいなと思う」と、決意を新たに甲子園のグラウンドに立った。
初戦には学校関係者や保護者ら約800人が応援に駆け付け、ナインに声援を送った。勝利を見届けた小原孝嗣野球部保護者会長(53)は「地震の被害に遭った県民に元気を与えるプレーをしてくれたと思う」と選手をたたえた。
試合後「はつらつと戦い、勝ちを届けることができてうれしい」と赤堀。全員でつかんだ1勝をかみしめながらも「次戦も食らい付いてしぶとく戦いたい」と高みを見据え、力強く語った。(熊田紗妃)
- 光南高に日本高野連表彰状、センバツ21世紀枠...県候補校推薦
- 光南、センバツ21世紀枠候補に推薦 一般は聖光、学石 県高野連
- 聖光学院は補欠校に、夏見据える センバツ、2年連続出場ならず
- 田村高に日本高野連表彰状伝達、センバツ21世紀枠候補推薦で
- センバツ21世紀枠に田村推薦 県高野連、秋の成績と地域の絆評価
- 只見への募金6000万円超 監督「野球の力すごい」、応援に感謝
- 赤堀主将「日本一の目標変えず」 聖光ナイン、センバツから帰校
- 聖光学院、センバツ8強逃す 近江に2-7、初回の先制実らず
- 聖光学院「甲子園の夢」続く センバツ、卒業生全員の動画に力
- 聖光学院エース・佐山、辛抱強く 序盤に5失点、緩急使い活路