南会津、初舞台「躍動」 創部42年目、出場辞退校の思い背負い
15日に開幕した春季東北地区高校野球県大会。南会津は、創部42年目にして初めて春の県大会に出場した。「どの相手も格上。挑戦者の気持ちで」とはつらつとしたプレーを見せたが、相馬に1―6で敗れた。
南会津は初回、2死から走者を出し一、三塁とすると、ダブルスチールで三塁走者が生還して先制。幸先の良いスタートを切った。
豪雪地帯の学校とあって、冬は室内での練習がほとんど。ティーバッティングや、柔らかいボールを使った守備練習を積み重ねてきた。会津支部予選では、県大会への四つの出場枠を獲得するため、12チームがしのぎを削った。
南会津は、初戦で敗れたものの敗者復活戦を勝ち上がり、県大会への切符をつかんだ。ただ、その背景には、予選で準決勝まで勝ち進んでいた2校が、新型コロナなどの影響で出場を辞退したことがあった。
上野忠紘監督は「2校の選手はどういう思いでいるか考えよう。責任を持って全力でプレーしないといけない」と選手を鼓舞してきた。初回の躍動には、選手たちのその思いが込められていた。しかし、壁は高く、徐々に点差を離された。
エース、4番としてチームを引っ張る渡部遥人主将(3年)は「2校の選手の気持ちも背負ってプレーしたつもりだったが」と悔しい表情。「点を取るために、あと一本が出なかった。打線を強化したい」と、夏に向けて気持ちを切り替えた。