会津工18年ぶり8強 高野が10回執念の一打、白河実を下す

 
【白河実―会津工】10回表会津工1死一、三塁、勝ち越し打を放ち三塁に滑り込む高野=信夫ケ丘球場

 第73回春季東北地区高校野球県大会第2日は16日、信夫ケ丘球場(福島市)と白河グリーンスタジアム(白河市)で1、2回戦5試合が行われた。会津工が延長戦の末、5―2で白河実を下して18年ぶりに準々決勝に進んだ。日大東北は昨秋の県大会ベスト4の相馬東に2―0で競り勝った。大会第3日の17日は、信夫ケ丘球場と白河グリーンスタジアムで2回戦4試合が行われる。

 延長10回、思いが宿った白球が左中間を破った。「流れを変える打撃を狙っていた」。1死一、三塁の場面で勝ち越しの適時打を放った会津工の高野大地(3年)は満面の笑みを浮かべた。

 エース斎藤愛斗(3年)が9回までに138球の投球で粘る。高野の前の打者の山本学歩(3年)は10回にバントでしぶとく内野安打でつなぐ。同級生の勝利への執念がバットに宿った。

 それまでの3打席は力みから凡退していたが、最も緊張する場面で自然と力が抜けた。高めの変化球を流し打ちし三塁まで激走。泥を払ってベンチやスタンドを見ると、大盛り上がりの仲間に拳を突き上げて応えた。

 延長戦を制し、コロナ禍の県大会で初めて、声を出して校歌を歌った。今大会からはメガホンと太鼓による応援も可能となり「これが見たかった景色」と目を細めた。無観客試合のため家族全員の入場は認められなかったため、大会後には祖父母らに撮影した映像を見てもらうつもりだ。高野は「何回でも見てほしい」と笑った。

 東日大昌平との準々決勝に向けて「100%の力をぶつけるだけ」。会津工にとって18年ぶりの準々決勝で、高野はその雄姿を刻む覚悟だ。

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