聖光執念、勝負強さ発揮しサヨナラ呼び込む 春季東北高校野球

 
【聖光学院―秋田商】9回裏聖光学院1死一、二塁、右中間にサヨナラ打を放った安田(中央)=あづま球場

 第69回春季東北地区高校野球大会第3日は10日、あづま球場(福島市)で準々決勝2試合が行われた。聖光学院(本県第1代表)は秋田商(秋田第1代表)に5―4で九回サヨナラ勝ちし、4年ぶりにベスト4進出を決めた。

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 【評】聖光学院が最終回に勝負強さを見せ、サヨナラ勝利。1点を追う九回、1死から赤堀、高中の連打で一、二塁とすると、3番安田が右中間を破る2点適時二塁打で試合を決めた。投げては先発したエース佐山が六回に6連打で4点を失ったが、持ち味の高い制球力で要所を締め、1四球8奪三振で完投した。(副島湧人)

 安田「自然と涙が出た」

 野手陣の成長を見せつけるような執念の一打が、劇的な勝利を呼び込んだ。聖光学院の安田淳平(3年)は九回1死一、二塁の好機で逆転のサヨナラ打を放ち「自然と涙が出た」とうれしさをにじませた。

 エース佐山未来(3年)を中心に試合をつくり、勝ち上がってきたチーム。しかし安田は「佐山に任せっきりではだめだ」と今シーズンに入ってからは、野手力の向上を掲げてやってきた。

 安田自身、今年の選抜高校野球大会を経験して気持ちに変化が現れた。強打者がそろう甲子園でプレーし「自分の力のなさを痛感した。初心に戻ってしっかり振り切ろうという思いに変わった」。三振を少しでも減らそうと、追い込まれてからはバスターを多用し、バットに当たる確率が上がるよう心掛けた。

 最高の場面で打席に立った最終回。安田はファウルと空振りで追い込まれると、バスターで外角の変化球をコンパクトに振り切り、右中間にはじき返した。「自分ができることを全うして、まずはこの大会をやり切りたい」と力強く語った。(副島湧人)

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