日大東北隙なし 双子バッテリー絶妙

 
【日大東北―郡山】勝利を喜ぶ日大東北の堀米涼(中央)と堀米翔(右)ら=あいづ球場

 第75回春季東北地区高校野球県大会は第4日の20日、メイン球場のあいづ球場(会津若松市)で準決勝2試合が行われた。日大東北は郡山を4―1で、聖光学院は学法石川を4―1でそれぞれ下し、決勝進出を決めた。日大東北が決勝に進むのは9年ぶり13度目で、聖光学院は3年連続16度目。日大東北と聖光学院は6月7日から岩手県で開かれる東北大会に出場する。最終日の21日は、あいづ球場で日大東北―聖光学院の決勝と郡山―学法石川の3位決定戦が行われる。決勝は正午、3位決定戦は午前9時30分開始予定。

 ◇準決勝 ▽第1試合(10時9分)

郡山
 000000100―1
 02101000×―4
日大東北

▽試合時間 2時間22分

 【評】序盤に流れをつかんだ日大東北がリードを守って勝利した。二回1死二塁、荒瀬の左中間への適時打で先制。三、五回にも堀米涼の適時打や相手の失策などで着実に加点した。投げては先発堀米涼が要所を締める投球で1失点完投。郡山は七回に1死満塁の好機をつくったが、1点を返すにとどまった。(八巻雪乃)

 要所でストライク

 東北大会の切符が懸かる大切なマウンドを託された日大東北のエース堀米涼太(3年)は、捕手で双子の兄堀米翔太(同)と息の合った投球で9回1失点で完投。「苦しい試合になると思っていたが、無事に勝ててうれしい」と一安心した表情を見せた。

 初回から直球と変化球を織り交ぜ、スコアボードに0を並べ続けた。中盤には変化球でストライクが取れず、四球などでピンチを招くこともあったが、翔太のリードもあり、自信のある直球で相手に流れを渡さなかった。配球は基本的に翔太に任せており、「打者の様子を見ながら、うまくリードしてくれた」と兄に感謝した。

 涼太は昨秋、肩の痛みがあり登板できず、悔しい思いをした。冬は体づくりなどに努め、体重を10キロ以上増やした。今春の支部予選後には翔太からの助言でフォームの調整に力を入れ、ストライク先行の投球を意識。この試合でも要所でストライクを取り、練習の成果を発揮した。

 「スタンドの3年生も含め、助けてくれる仲間のために戦う。どんな相手でもやることは変わらない」と涼太。成長を遂げたエースがチームを17年ぶりの頂点に導く。(八巻雪乃)

 荒瀬、先制点呼び込んだ

 日大東北の荒瀬剛毅(3年)は3安打1打点の活躍。「打撃で投手を助けることができた」と喜んだ。

 試合前から緊張で体がこわばっていたという荒瀬。二回1死二塁で迎えた第1打席。吉田翔監督から言われた「真っすぐを狙って思い切り行け」という言葉で吹っ切れた。外角低めの直球を左中間に運び、先制点を呼び込んだ。

 下半身や腰を強化するトレーニングに励んだ冬場の成果を発揮している。「挑戦者の気持ちで、一球一球に全力で食らい付いていく」と決勝に向けて闘志を燃やした。

 郡山エース夏へ収穫

 五回途中から登板した郡山のエース藤田海斗(3年)はコースをつく投球で追加点を防いだ。チームは敗れたが、「どんな相手でも自分たちの野球をやっていきたい」と気持ちは固まった。

 準々決勝で緊急登板した際には焦りで投球が乱れたが、この日は落ち着いた姿を見せた。先発した森川凌成(2年)をフォローすることに集中すると力みが取れ、制球が整った。試合ごとに成長し、手応えも感じている藤田。心を強く持ち、夏へ一歩ずつ進んでいく。

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