延長11回激闘!福島商に『軍配』 主将・田中が会心の救援力投
福島商が延長までもつれた打撃戦を制した。11回は先頭の山田が右前打で出塁し、後続が倒れて1死一塁から比金の適時二塁打で加点し、振り切った。白河は9回、1死無走者から4連続四死球と赤城の適時打などで4点を奪取して同点に追い付いた。10、11回は走者を出したが凡退した。
延長11回の激闘の末、勝利をつかんだ福島商。9回裏から遊撃手の主将田中冴輝(さえき)(2年)が緊急登板。最後の打者から三振を奪うと、右の拳を力強く握りしめ、喜びを表現した。
「主将の責任感に懸けた」と渡辺真也監督。2番手投手の渡辺晴統(はると)(2年)の制球に乱れが生じ4連続四死球で1点を返されて1死満塁。最大のピンチを迎え、田中がマウンドに上がった。
中学校で投手経験はあるが、高校では公式戦初登板。「自分らしい投球をする。頼りない背中は見せられない」との一心で力投した。内野ゴロと適時打で同点には追いつかれたが、サヨナラ負けの危機をしのいだ。
その後もマウンドに立ち続け、10回と11回は計4三振を奪う会心の投球を見せ、打線の奮起につなげた。慣れないマウンドだったが、「絶対に負けたくない」と田中の心は折れなかった。
福島商が甲子園に出場したのは2000年の夏の大会が最後。ナインたちは21年ぶりの「センバツ」出場を狙う。目標達成に向け、「接戦での勝利は自信になった」と語る田中が力強くナインを引っ張る。
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