田村 土壇場に集中打 劇的逆転サヨナラ、平工 最後に力尽く
【秋季高校野球福島県大会・最終日】
◇あづま球場 ▽3位決定戦(9時30分)
平工 000310010―5
田村 000002004X―6
▽三塁打 石川蓮(田)▽二塁打 鈴木悠(平)渡辺颯(田)▽捕逸 国分(田)▽暴投 石川蓮2(田)▽野選 石川蓮(田)
▽試合時間 2時間19分
▽審判 吉永(球)石川、菊地、吉田
【評】田村が最終回の集中打で逆転サヨナラ勝ちし、東北大会の切符を手にした。3点を追う九回無死一、二塁、代打橋本柊が適時打で1点を返すと、その後の無死満塁の場面で渡辺颯が走者一掃の適時二塁打を放ち試合を決めた。平工は投手陣が八回まで2失点と好投したが、九回につかまり、リードを守れなかった。(津村謡)
殊勲のサヨナラ打、父に感謝
東北大会出場の最後の1枠を懸けた戦いは劇的な幕切れとなった。最終回に田村の渡辺颯人(はやと)(2年)が放ったのは、右中間を切り裂く走者一掃の逆転サヨナラ打。ベンチから飛び出してきた仲間から手荒い祝福を受け、「決めることができて最高です」と興奮気味に話した。
田村は最終回、制球が定まらない相手エースを攻め立てた。投手が交代しても攻撃の手を緩めず、無死満塁の場面で渡辺颯が真ん中高めの直球を振り抜き試合を決めた。
準決勝は好投手を前に無安打。自宅に帰ってから、同校野球部OBの父隆司さんの指導を受けながらティー打撃に励んだ。「まだまだ振りが弱い」。一番のコーチである父の言葉で闘争心に火が付いた。
8月の支部予選準々決勝に続くサヨナラ打だ。「父に感謝し、勝ちにこだわって勝負強い打撃をしたい」。東北大会でも、ここ一番で勝負強さを見せていく。
平工、後半流れ悪く
「主将として、点を取られないようにと決意して臨んだが、申し訳なかった」。2点差に迫られた九回途中から登板した平工の主将大山恭弥(2年)は満塁で走者一掃の適時二塁打を浴びた。悔しいサヨナラ負けとなった。
平工は四回に3連打などで3点を先制。試合を有利に進めたが、後半は打線がつながりを欠いた。大山は「後半の流れが悪くなってしまった」と悔やむ。
東北大会出場にはあと一歩届かなかったが、大山は前を向く。「さまざまなチームの特徴を知ることができた。今後に生かしたい」。経験を春へとつなげる。
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