福島県民のため『闘志』 自転車代表・渡辺一成選手ら五輪合宿

 
「練習で疲労もあるが、本番まで徐々に調子を上げていきたい」と意気込む渡辺選手=21日、伊豆ベロドローム

 リオデジャネイロ五輪に出場する自転車男子トラック代表が21日、静岡県伊豆市の伊豆ベロドロームで行っている強化合宿を公開した。男子ケイリンの渡辺一成選手(32)=日本競輪選手会、小高工高卒=らが過酷な練習を展開。開幕まで50日を切り、渡辺選手は「練習で疲労もあるが、本番まで徐々に調子を上げていきたい」と意気込む。

 伊豆ベロドロームは世界基準で設計された国内唯一の競技場で、2020(平成32)年の東京五輪で自転車競技の会場として使用される。この日は男子ケイリンの3選手が緊張感を漂わせながら、黙々と練習に打ち込んでいた。

 レース終盤までオートバイが選手を先導する「ケイリン」。合宿ではペースメーカーがいなくなる残り2・5周を想定して、時速40~70キロに加速する練習が繰り返され、渡辺選手は持ち味の瞬発力を磨いている。

 五輪出場が3度目となる渡辺選手。2008年北京はチームスプリントで6位、12年ロンドンはチームスプリントで8位、ケイリンで11位に終わった。「今度こそ結果を残したい」。世界の舞台で味わった悔しさが原動力となっている。

 5月20日に待望の長男が誕生した。「何かを極めてほしい」との願いを込め「壱(えーす)」と名付けた。「子どもの存在は大きい。記憶と記録に残る存在になりたい」と父親の顔ものぞかせる。

 「(古里の)双葉町民や県民と歓喜を味わえるようにしたい」と活躍を約束する渡辺選手は、闘志を胸に秘め集大成の舞台を見据えている。

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