じゃんがら念仏踊り...リオ五輪に舞う いわき有志『復興発信』へ
リオデジャネイロ五輪の開催地、ブラジル・リオ市で、本県を代表する郷土芸能の一つ、じゃんがら念仏踊りが披露される。五輪期間中の8月、東京都などが現地で主催する2020年東京五輪・パラリンピックの関連イベントに、いわき市の有志でつくる連合チームが出演し、東京五輪や日本の魅力を発信する。「復興へ向かう福島の姿もアピールしたい」。本番を控え、メンバーが練習に打ち込む。
25日、いわき市常磐関船町の神社境内に集まったメンバーが軽快なリズムに乗せ、踊りを合わせた。市指定無形民俗文化財のじゃんがら。各地区の青年会などがお盆の期間中、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし、新盆の民家を回って亡くなった人を供養する。
イベントは東京五輪・パラリンピックの機運を盛り上げようと、東京都と東京都歴史文化財団が企画。東日本大震災からの復興をアピールし、震災時に各国から寄せられた支援に、世界が注目するスポーツの祭典を通して感謝の意を伝える狙いがある。
東京都から全日本郷土芸能協会を通して2月に、「じゃんがらを披露してほしい」と、いわき市文化財保護審議会委員を務める田仲桂さん(38)に依頼があった。田仲さんは青年会や保存会など"じゃんがら仲間"に呼び掛け、8団体19人からなる連合チームを結成。メンバーで話し合い、各団体の「彩り」と「志」によってできたチームとの意味を込め、「磐城じゃんがら彩志会」と名付けた。
田仲さんによると、一口にじゃんがらといっても団体ごとに特徴があり、踊りが少しずつ異なる。そのため参加メンバーの多い同市三和町を中心とした「成沢入藪青年会」の踊りを基本とした。練習は週2、3回ほどで、仕事終わりに集まったメンバーが練習に汗を流している。
チームは8月15日夜にいわき市を出発、同18、19の両日に現地に設けられる特別会場「リオ2016ライブサイト」などで、じゃんがらを披露する。岩手県の「鬼剣舞」、東京都の「江戸鳶(とび)木遣(きや)り」、ブラジルの和太鼓団体なども出演する予定だ。田仲さんは「私たちが暮らしていることの象徴といえるのが郷土芸能。じゃんがらを通して福島の今の姿を伝えてきたい」と意気込む。
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