中村匠吾V!大八木監督へ恩返し『五輪切符』 マラソンMGC

 

 15日に行われた東京五輪マラソン代表の選考レース「グランドチャンピオンシップ」(MGC)。男子優勝を果たした中村匠吾(26)=富士通、駒大卒=が両手を広げてフィニッシュテープを切った先には、大八木弘明駒大陸上部監督(61)=会津工高卒=が待ち構えていた。大学時代から続く師弟関係。二人三脚でつかんだ東京五輪の切符だった。

 「マラソンで五輪を目指すなら一緒にやらないか」。中村が大学3年だった2013(平成25)年に開催が決まった東京五輪。才能を見いだしていた大八木監督は中村に声を掛けた。富士通入社後も大学に練習拠点を置いた中村は、初マラソンとなった18年3月のびわ湖マラソンで日本人トップの快走を見せてMGC出場権を獲得。この日のレースでは、終盤の約4キロにわたる上り坂でスパートを繰り返し、粘るライバルたちを振り切った。「指導を受けて9年目のシーズン。少し恩返しできた」

 大八木監督は藤田敦史駒大陸上部へッドコーチ(42)=清陵情報高卒=ら名だたるランナーを輩出してきたが、五輪代表は中村が初めてだ。「長かった。(中村は)どんどん強くなった。たいしたもの」。厳しいげきで知られる熱血漢も、この日の中村に対しては短い言葉ながらも手放しでたたえた。

 MGCで2位に入り、代表に決まった服部勇馬(25)=トヨタ自動車=も東洋大時代、酒井俊幸監督(43)=学法石川高卒=の指導を受けている。須賀川市出身の円谷幸吉が銅メダルを獲得した前回から、半世紀以上を経て開催される来年の東京五輪。本県長距離界の系譜は、確かに受け継がれている。

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