学法石川高OB、箱根駅伝熱く 明大・阿部、7区で区間新

 
7区を走り、区間新記録を樹立した明大の阿部=平塚中継所

 3日に復路が行われた第96回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)。福島県勢は7区で区間新記録を樹立した明大の阿部弘輝(4年)らいずれも学法石川高出身の5人が箱根路を駆け抜けた。2日の2区で区間新記録をマークした東洋大の相沢晃(4年)を含め、高校時代に「最強世代」と称された現4年生を中心に刺激し合い、大学でも競技に打ち込んできた選手ら。かつての仲間同士の並走やたすきリレーも繰り広げ、大会を盛り上げた。

 「大学最後の箱根駅伝を笑顔で終えることができてよかった」。明大のエースで主将阿部弘輝(4年、学法石川高卒)はすがすがしい表情をみせた。1万メートルの自己記録は今大会に出場する日本人ランナーでトップ。左膝負傷で「万全ではない」状態だったが、けがを感じさせない快走。本来の力を見せつけ、同大5年ぶりのシード権獲得に貢献した。

 5位でたすきを受けると、12キロ地点手前で4位の東京国際大を捉えた。高校時代の同級生・真船恭輔(4年)だ。「箱根の舞台で並走するなんて」。競い合ってきた仲間とのレースに奮い立ち「ついてこいよ」と声を掛けた。終盤、区間新記録を意識して残り3キロでスパートをかけた。

 阿部は昨年7月のユニバーシアード1万メートルで銀メダルに輝いた。一方で股関節痛などに苦しみ、10月の予選会や11月の全日本大学駅伝は欠場。「けがで悔しい思いをした。そのうっぷんを箱根駅伝で晴らしたかった」と振り返った。

 2日の往路2区で区間新記録を樹立した高校時代の同級生、東洋大の相沢晃の活躍にも刺激を受けた。7区スタート地点の小田原中継所で、相沢から「頑張れよ」と声を掛けられ、背中を押された。「昨日、あれだけの走りを見せられたら自分も頑張るしかない」。エース同士の直接対決とはならなかったが「箱根は通過点。相沢と共に世界を目指す。まずは東京五輪の1万メートル出場を狙いたい」。箱根から世界への思いがあふれた。

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