聖火ランナー・諸橋寛子さん、世界中の人々に感謝「福島の姿を」

 
「スポーツを通して前向きになれる力を与えたい」と話す諸橋さん

 「何が何でも前向きに。スポーツの持つ力を信じている」。スポーツを通した社会貢献に取り組む一般財団法人「ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション」(東京都)の代表理事を務める郡山市の諸橋寛子さん(52)は、聖火ランナーに選ばれた。「活動を支えてくれた世界中の人々に感謝を伝え、福島の姿を世界に届けたい」

 同財団は震災後に発足。無料の運動施設や、元五輪選手などのアスリートを講師に招いたスポーツキャンプなどを開き、スポーツを通した復興支援に取り組んできた。国内外から支援に訪れたアスリートと触れ合った子どもたちに笑顔が戻る様子を見て、スポーツの力を改めて感じたという。

 自身もスポーツで人生を変えられた一人だ。元々は運動が苦手で「走り方もよく分からなかった」。転機は48歳。世界最高峰の障害物レース「スパルタンレース」を観戦し、77歳の米国人女性がゴールした姿を見たとき、心を動かされた。「遅すぎることはない」。人生が変わった。本格的にトレーニングを始め、翌年のスパルタンレースで7キロを完走。その後も、距離を伸ばして毎年出場している。

 震災からの道のりを振り返り、「まだまだこれから。逆境にあっても立ち上がれる子どもたちを育てていくことが重要」と話す。スポーツを通して、子どもたちに前向きに生きる力を与えるため「前に進むということをかみしめて走りたい」と力強く笑顔で語った。

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