トーチデザイン契機の生徒「描いた桜と走る」 南相馬でリレー参加

 
雲雀ケ原祭場地周辺を走り、本番に向けて気持ちを高める早坂さん=23日午後3時ごろ、南相馬市原町区

 目前に迫った25日からの聖火リレー。ランナーたちはそれぞれ特別な思いを胸に本番を待つ。「自分たちがデザインに関係したトーチが日本を巡る。南相馬の復興を伝える気持ちで走りたい」。ランナーの一人である南相馬市の早坂優一さん(13)=石神中1年=は力を込める。

 トーチデザインの原点となったのは、早坂さんが小学生の時にクラスメートと共に描いた桜。「季節外れだったけど、校庭に咲き誇る美しい桜を想像して描いた」ものだ。その絵は、学校を訪問したデザイナーの吉岡徳仁さんの心に残り、トーチデザインの着想になったという。「トーチを見て、南相馬のことを少しでも知ってもらえるといいですね」。早坂さんは願う。

 参加への楽しみが募る一方、不安もあった。森喜朗氏の女性蔑視発言による組織委会長辞任騒動、芸能人の聖火リレー辞退。これらの報道を見て盛り上がりがなくなってしまうのではと「少し残念な気持ちになった」。ただ、「1年前のように延期や中止にならなくて良かった。ランナーの一人として五輪を盛り上げたいという気持ちは変わらない」と前を向く。

 25日の最終地点で行われるセレモニーの会場・雲雀ケ原祭場地周辺を走ったり、自宅で棒をトーチに見立ててイメージトレーニングしたりして気持ちを高めている早坂さん。「新型コロナウイルスや先月の本県沖地震など暗い話題が多かった。トーチの火で日本を明るく照らしてほしい」と期待を込めた。

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