「復興五輪」実現へ橋本会長決意 聖火リレー、コロナ対策が鍵

 

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は24日、東京都内で記者会見し、本県から始まる聖火リレーについて「福島の皆さん、東北の皆さんの心に希望の灯がともるよう全力で成功させたい」と大会理念に掲げる「復興五輪」の実現へ決意を示した。

 聖火リレーの第1走者を務める女子サッカー「なでしこジャパン」の監督だった佐々木則夫さんが同席し「10年ぶりにメンバーが集まり、なでしこジャパンの聖地、福島復興のシンボルであるJヴィレッジからスタートを切れることを誇りに思う」と語った。

 聖火リレーの成功は新型コロナウイルス対策が鍵を握る。橋本会長は「ランナーだけではなく、受け入れる地元の皆さんにとっても安全最優先で進めていく。沿道やセレモニー会場の密集回避に当たっては、全国の自治体と連携して万全の体制で運営したい」と強調した。

 「福島に元気を」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と、聖火リレーの第1走者を務めるサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の監督だった佐々木則夫さんは24日の記者会見で、25~27日に本県を巡る聖火リレーを通じて「福島の皆さんに元気を届けたい」などと意気込みを語った。

 橋本聖子会長語る 五輪成功へのスタート

 ―海外からの観客の受け入れを断念した。どのように「復興五輪」の大会理念を実現するか。
 「あらゆるアイデアを出し合い、工夫することで被災地復興の姿を世界に発信するチャンスはある。メダリストに渡される『ビクトリーブーケ』に被災地の花を使ったり、選手村で福島の食材を振る舞ったりして事あるごとに福島、東北の素晴らしさを発信する」

 ―県民には期待の一方で「復興五輪とはいえない」などと複雑な思いがある。
 「震災から10年がたったが、復興はまだ道半ばだと実感している。一人でも多くの福島、東北の皆さんの心に希望の灯がともるよう全力で成功させたい。大会を開催して良かったと後々に思ってもらえるよう、皆さんに温かい心が伝わる大会にするため努力したい」

 ―県民にメッセージを。
 「新型コロナウイルス対策のさまざまなお願いを聞き入れ、万全の準備をしていただいた。今までの苦労が報われるよう、希望の灯を121日間つなぐ素晴らしいスタートにしたい」

 佐々木則夫さん語る Jヴィレッジ出発「誇り」

 ―聖火リレーの第1走者を務める心境は。
 「東日本大震災が起きた2011年にドイツワールドカップで優勝し、スポーツの力が評価された。『復興五輪』にもつながり、選考されたことは名誉だ。一丸となり五輪を成功させるためのスタートの一助になれることに幸せを感じる。国民、世界の皆さんに不安があると思うが、スポーツの力でコロナ禍を脱したい」

 ―Jヴィレッジへの思い入れは。
 「私が指揮を執る前から多くの合宿で利用し、なでしこジャパンの聖地だ。選手がコミュニティー活動を体験したり、(楢葉町の木戸川を遡上(そじょう)する)サケを見に行ったりしたこともあった。地域の皆さんに支えていただいた。東京電力福島第1原発事故で前線基地になったが、素晴らしい復活を遂げた」

 ―県民に伝えたい思いを。
 「福島復興のシンボルからスタートを切れることを誇りに思う。皆さんに元気を出していただき、復興につながることを願う」

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