「聖火リレー」スタート!1年越し、福島県・Jヴィレッジから

 
トーチを掲げて出発するサッカー「なでしこジャパン」W杯優勝メンバー=25日午前、Jヴィレッジ(代表撮影)

 東京五輪の聖火リレーが25日、延期決定から1年を経て本県復興のシンボル、Jヴィレッジから始まった。約1万人のランナーによって121日間かけて県内26市町村(265区間、51.71キロ)を含む全国859市区町村を巡る。「希望のともしび」は東日本大震災から10年が経過した本県を再び照らし、県民の感謝の思いとともにつながる。

 新型コロナウイルスの感染防止対策としてJヴィレッジでの出発式は規模が縮小され、無観客で行われた。内堀雅雄知事は「(世界中からの)数多くの応援で再び前を向き復興の歩みを進めることができた」と感謝を伝えた。大会組織委員会の橋本聖子会長、丸川珠代五輪相、東京都の小池百合子知事があいさつした。

 続いて公式アンバサダーを務めるお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん、富澤たけしさんがランタンで運んだ聖火が、俳優の石原さとみさんとパラリンピックの射撃に出場した田口亜希さんの手で聖火皿に移された。

 第1走者は震災発生から4カ月後の2011(平成23)年7月のサッカー女子ワールドカップドイツ大会を制した「なでしこジャパン」の選手と、監督だった佐々木則夫さんの計16人。岩清水梓さんが右手で握り締めたトーチに点火され、午前9時42分、聖火リレーがスタートした。

 その後、聖火は震災と東京電力福島第1原発事故で大きな影響を受けた浜通りの楢葉町、広野町、川内村、いわき市、富岡町、葛尾村、双葉町、大熊町、浪江町を巡り、午後5時12分、初日のゴールの南相馬市に到着。計100人がランナーを務めた。途中、トーチの火が消えたものの、実行委員会関係者がランタンを使って再点火し、聖火リレーは続行された。沿道では「密」の防止が呼び掛けられ、住民はマスクを着用し、拍手などでランナーを後押しした。

 26日は相馬市の相馬中村神社を午前9時に出発。飯舘村、新地町、川俣町、福島市、猪苗代町、三島町、喜多方市を経て会津若松市にゴールする97区間(18.97キロ)で行われる。

 聖火は東京五輪開会式の7月23日に東京・国立競技場の聖火台にともされる。

 東京五輪【聖火リレー】福島県内スケジュール(21年3月25日~27日)

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