2週間前から「体温記入」 聖火リレー、コロナ対策入念な準備

 

 Jヴィレッジをスタートした東京五輪の聖火リレー。復興へ歩む古里の元気な姿を走りで伝えたランナーたちは、本番を迎えるまで、胸を高鳴らせながら体調管理など入念な準備を重ねてきた。

 「2週間前から会食をしない」「密集する場所への外出を避ける」。新型コロナウイルス感染症対策として、大会組織委員会から体調と行動を自己管理するよう強く求められた。加えて「ウィズコロナ」の日常で定着しつつある毎日の体温測定をさらに徹底し、走行2週間前から専用のチェックシートに記入することがランナーを務めるための"条件"の一つだ。

 組織委が用意するユニホーム上下とは別に、靴や靴下などは自前で準備する必要があった。特に靴は白系でスポンサーのものを推奨された。双葉郡に住むあるランナーは、地元にスポーツ用品店がないため、約50キロ離れた店舗で購入したという。

 聖火リレー初日。走行する市町村ごとに指定されたコレクションポイントと呼ばれる集合場所に向かう。出発地点のJヴィレッジと、楢葉、広野両町を走るランナーはJヴィレッジ敷地内のアリーナが指定場所で、午前7時30分前に全員がそろった。組織委のスタッフからトーチの持ち方などについて約15分間の説明を受けた後、最もスタート時刻が遅い広野町のランナーは2時間ほどアリーナに待機。「何をして過ごせばいいの?」。初対面のランナーたちは長い待ち時間に戸惑いながらも、トーチキスの練習に励むなど友情を育んだ。

 走行区間へ向かう時間になると、ランナーは専用のバスに乗車。広野町では車窓に映る観客の姿にランナー6人の緊張が一時高まったが、温かい応援を受けながら無事に聖火をつないだ。

 再びバスに乗ってJヴィレッジに戻ると、報道機関の取材に応じる時間が設けられた。朝の集合から取材終了まで最大で約5時間。ユニホームは各ランナーにプレゼントされ、トーチは原則、事前に購入していれば持ち帰ることができた。「1年越しの聖火リレーでモチベーションが下がっていたが、沿道も盛り上がったし、走って良かった」。トーチを大事そうに抱えたランナーたちの表情は達成感に満ちていた。(辺見祐介)

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