２５日の聖火リレーを終え、東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は同日夜、都内で記者会見し「ほぼ時間通りに進み、大変順調だったとの評価だ。地元の皆さんの協力と準備が相当あったおかげであり、感謝している」と話し、運営面で目立ったトラブルはなかったと見解を明らかにした。

　武藤氏は、最大の課題となる新型コロナウイルス対策について「全体として私たちが心配したような密状態は起こらなかった」との認識を示した。いわき市のＪＲいわき駅前周辺では多くの観覧客がランナーを見守ったが、「ほとんどの人が重なり合うような状況は見られなかった。前後左右に複数列ができる状態にはなっていない」などと説明した。

　先導広報車や沿道のスタッフが移動と分散を呼び掛け、過度な密集状態には至らなかったと指摘した。ただ、歩道をランナーと並走する人がおり、危険だとして注意したという。

　２５日に走ったランナーは１００人で、２人が欠席した。武藤氏は「移動の問題など、さまざまな事情があり、不可抗力だ」と理由を挙げた。２人が走る予定だった区間については前後のランナーが補ったという。

　途中でトーチの聖火が消える場面が広野町と富岡町で計２回あったが、聖火をともしたランタンを持ったスタッフが同行しており、ランナーの手にあるトーチに再び点火した。武藤氏は「起こることを想定しており、問題はなかった。原因を究明したい」などと述べた。