「桜の炎」121日間の旅!感謝込め力強い一歩 聖火リレー出発式

 
出発式に登場し、聖火を披露するお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん(右から3人目)と富澤たけしさん(右)、石原さとみさん(右から2人目)ら(代表撮影)

 Jヴィレッジの全天候型練習場で25日に行われた出発式。新型コロナウイルス感染症対策として出席は関係者に制限された。出席者は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経て2019年に全面再開した施設を出発する聖火を見つめ、「復興五輪」の機運醸成へ思いを一つにした。

 オリンピアンで大会組織委員会の橋本聖子会長は夏の聖火を「情熱的」、冬の聖火を「優しくて温かい」と表現。2種類の聖火が合わさった東京五輪の聖火は「神聖で力強く、温かい光となって日本全国をともしてほしい」と期待を込めた。

 内堀雅雄知事はこれまでの支援に感謝した。丸川珠代五輪相は「未曽有の大災害から復興を成し遂げつつある被災地の姿を力強く発信する」、東京都の小池百合子知事は「Jヴィレッジから始まる聖火リレーが復興の加速、コロナ禍からの回復につながる一歩となることを確信する」とそれぞれ述べた。

 出発式には、公式アンバサダーのお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんと富澤たけしさん、俳優の石原さとみさん、五輪柔道金メダリストの野村忠宏さん、パラリンピックの射撃に出場した田口亜希さんが出席した。

 聖火がランタンから聖火皿へ移されると、まばゆく力強い炎が会場の感動を誘った。

 「出陣」伝統文化、芸術を発信

 出発式の前には、県内の復興や伝統文化などを発信する各種パフォーマンスが繰り広げられ、聖火リレーのスタートに花を添えた。

 先陣を切ったのは、国指定重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」の標葉(しねは)郷騎馬会(浪江、双葉、大熊町)。侍姿の会員が威風堂々とほら貝を鳴り響かせ、聖火リレーの"出陣"を世界中に知らせた。

 引き続き、会津田島太鼓保存会「白(びゃっ)鼓(こ)」(南会津町)、スパリゾートハワイアンズ(いわき市)のダンシングチーム「フラガール」、福島西高デザイン科学科(福島市)、東京電力福島第1原発事故で被災した南相馬市の子どもたちで構成するマーチングバンド「Seeds+(シーズプラス)」が登場。本県が誇る多彩な芸術文化を披露した。

 福島西高の生徒は、希望に向かって進む本県を表現した鶴と、復興や再生を意味する鯨をモチーフにした2種類の絵画を披露。なでしこジャパンが出発した全天候型練習場の出口に掲げ、トーチをつなぐメンバーにエールを送っていた。

 2019年全日本合唱コンクール全国大会で日本一の文部科学大臣賞に輝いた郡山五中と、金賞受賞の朝日が丘小(郡山市)は出発式に登場。「花は咲く」を合唱し「合唱王国ふくしま」の魅力を発信した。郡山五中の芳賀勝利さん(14)は「会場に自分たちの声が響き、すがすがしい気持ちになれた」と晴れやかな表情を浮かべた。

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