聖火ランナー、伝統の町に希望の灯 観光地走る「気分が明るく」

 
蔵の町並みを通過する聖火ランナー=喜多方市

 観光地会津では歴史情緒あふれる町並みを聖火ランナーが走った。新型コロナウイルスの影響で観光、宿泊業などが大きな打撃を受ける中、沿道の市民は「聖火が明るい兆しになってほしい」と願った。

 会津若松市の北出丸大通りは、正面に鶴ケ城天守閣が望める人気スポット。蔵造りの重厚な建物の周辺に、聖火を一目見ようと、市民が訪れた。同市の星あき子さん(73)は「外出を控えていたけど、今はワクワクした気分」と胸を高鳴らせた。

 城下町の風情を味わいながらゆっくりと通り行くランナーを見送った会津美里町の山内悦子さん(52)は「コロナで落ち込みがちだった気分が少し明るくなった。早く収束し、にぎわいが戻ってほしい」と願った。同市の佐々木智和さん(37)も「観光客が少ないと感じていたが、これから徐々に増えてほしい。イベントがまた楽しめるようになれば」と期待を込めた。

 蔵の町並みが続く喜多方市。スタート地点の小田付通りは、江戸時代末期以降の蔵や建築物が数多く残る。「一生の宝になった」。1717(享保2)年創業の小原酒造では、専務の小原富美子さん(59)が目の前を走るランナーの姿を写真に収めながら感慨深げに語った。1年前にはお酒の振る舞いなども考えていたが、新型コロナ対策のためできなかった。それでも「蔵のまち喜多方を知ってもらう機会になった」と喜ぶ。「古い蔵の町並みに、聖火が明るい未来をともしてくれた」。レトロ横丁(ふれあい通り)商店街の蔵の店舗でお茶の島慶園を営む長島慶司さん(63)もしみじみと語った。

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