学石高卒・松山、花の2区堂々 箱根区間5位、東洋大エースに成長

 
エースが集う2区で区間5位タイの力走を見せ、順位を押し上げた東洋大の松山=戸塚中継所

 第98回東京箱根間往復大学駅伝は2日、東京・大手町から神奈川県箱根町までの5区間107.5キロで往路が行われ、青山学院大が5時間22分6秒で2年ぶり5度目の優勝を果たした。帝京大が2分37秒差の2位、前回総合優勝の駒沢大が3位に続いた。

 往路では、エースが集う23.1キロの「花の2区」に東洋大2年の松山和希(学法石川高卒)が2年連続で出走した。松山は1時間7分2秒で区間5位タイの快走を見せ、順位を12位から8位に押し上げた。昨年に引き続き日本人2位の好タイムに「最後まで前を追うことができた」と、強豪を支える堂々たるエースに成長した姿を見せた。

 今季は体調が整わず、両足の靴擦れなどにも苦しんだ。昨年11月の全日本大学駅伝では、チーム順位を落とすなど、実力を発揮できなかった。松山を奮起させたのは、酒井俊幸監督(学法石川高卒)の「エースの自覚を持て」との言葉だった。

 気持ちを切り替え、自分の弱さを直視した。足りないところを補うための練習を積み重ね、本番の箱根駅伝に向け着実に調整を進めた。「万全ではなかったが、前回のタイムを13秒縮め、全日本大学駅伝の借りも返せた」

 レースは中盤まで外国人選手に食らい付いた。約15キロ地点の難所「権太坂」で集団から離されたが「前回は早めに仕掛けて失速したので、今回は落ち着いたレースを心掛けた」と冷静だった。権太坂の下りやラスト3キロでスパートをかけて順位を上げた。

 それでも「最後の追い込みが足りなかった。70点のレース」と満足することをしない。早くも「エースとして2区を走り、チームを引っ張りたい」と3度目の挑戦を誓った。

 松山は北塩原村出身で、幼稚園から中学校まで栃木県で過ごし、学法石川高で力を付けた。今月23日に広島県で開かれる全国都道府県対抗男子駅伝には本県代表として出場する。「高校時代の恩返しができる走りをしたい」と、決意を語った。(国分利也)

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