福島県勢奮闘、来年への成長誓う 箱根駅伝・復路

 

 第第98回東京箱根間往復大学駅伝は3日、神奈川県箱根町から東京・大手町までの109.6キロで復路が行われ、福島県勢が奮闘した。

 8区では中大の中沢雄大(3年、学法石川高卒)が区間3位と好走。創価大の吉田凌(1年、同)が同8位、3年連続で出走した明大の櫛田佳希(よしき)(3年、同)が同11位。9区を走った東京国際大の宗像聖(3年、同)は同9位タイだった。

 学石高卒・宗像、表情晴れず

 「チームの順位を落としてしまった」。2年連続で箱根路に挑んだ東京国際大の宗像は9区を区間9位タイで走ったが、表情は晴れなかった。

 3位と7秒差の4位でたすきを受けた宗像は、序盤から前を走る中大や5位の創価大と白熱した3位争いを展開した。一時は3位に躍り出たが「後半は体力が持たず、フォームが崩れてしまった」と6位に後退した反省点を口にする。

 来年は最高学年として迎える最後の箱根。「つらい後半でも競り負けない選手になる」と、目標の区間賞を目指し、着々と闘志を燃やしている。

220104running05.jpg※たすきを受けて駆け出す東京国際大9区の宗像聖=戸塚中継所


 学法石高卒・1年吉田、粘りの走り

 「良い流れを継続できるよう順位を上げたかったが、最低限の走りはできた。良い経験になった」。創価大で唯一の1年生として8区に出走したルーキーの吉田が区間8位の粘りの走りをみせた。

 往路が行われた2日までは緊張していたが「本番は楽しんで走れた。頼りになる先輩方にコースの特徴を教えてもらい、自信が持てた」と総合5位のまま、たすきをつないだ。一方、アップダウンのコースには苦しみ、「ただ前を追うだけになってしまったが、離されないようにと考えた」と冷静さを心掛けた。

 途中、学法石川高の先輩である中沢雄大(中大3年)に抜かされたが、その際に声を掛けられ、「きつい所で食らいつけた」と心遣いに感謝する。初の大舞台を経て「来年は区間賞を狙い、エースに成長できるよう練習に励む。福島を勇気づける走りをしていく」と笑顔を見せた。

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※1年生で初の箱根を区間8位と好走した創価大8区の吉田凌(右)=戸塚中継所


 学法石高卒・櫛田、来年へ雪辱誓う

 「チームに勢いを付けたかったが、ふがいない結果に終わり、悔しい気持ちでいっぱい」。箱根駅伝に3年連続で出走している明大の櫛田は2年ぶりに8区を走り、前々回のタイムを16秒縮めたが区間11位。総合14位のまま、たすきをつないだ。

 序盤から風に苦しみ、だんだんとペースを上げていく考えだったが、後半に体力が残っておらず失速した。特に約16キロ地点の急な上り坂「遊行寺の坂」で力を出し切れなかった。「今季はけがが多く、体力面や精神面で足りない部分があった。結果を受け止め、来年の最後の箱根駅伝に悔いのないように臨みたい」と成長を誓った。

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※懸命なラストスパートを見せる明大8区の櫛田佳希=戸塚中継所


 学法石高卒・半沢は無念の控え

 「最後の箱根駅伝を走ることができず、すごく悔しい。競技引退前に結果を示し、多くの人に頑張りを見てほしかった」と語るのは早大の半沢黎斗(4年、学法石川高卒)。3日の復路に当日変更で出走予定だったが、2日の往路後にメンバーチェンジとなった。半沢は3日、7区10キロ地点での給水サポートでチームを支えた。早大は総合13位で「自分のことより、チームの結果のほうが悔しい」と肩を落とす。大学卒業後は電機メーカーに就職するが、陸上を通して本県と関わる考えで「古里・福島に貢献する」と語った。

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