福島県「8位」入賞、最高記録更新 全国都道府県対抗女子駅伝

 
入賞争いで勝負強さを発揮しゴールする本県アンカーの石井寿美

 第40回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会は16日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に9区間42.195キロで開かれ、本県はチーム最高記録を46秒更新する2時間17分58秒で8位入賞を果たした。本県の入賞は2006(平成18)年の第24回大会以来、16年ぶり3度目。日本陸連の主催。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となった。京都が2時間15分5秒で制し、最多の優勝回数を18に伸ばした。福岡が2位、宮城が3位に入った。

 アンカー・石井「攻めの走り貫いた」

 アンカーの石井寿美(シスメックス、学法石川高卒)は神奈川との激しいつばぜり合いを制し、入賞圏内を死守した。重圧がかかる8位でたすきを受けたが、順位を把握していなかったことをレース後に明かし、「結果的に力みのない走りができた」と笑った。

 最終9区は10キロ。チームの「顔」となるエース級がそろう。石井は、東京五輪1万メートルで7位入賞した長崎の広中璃梨佳(日本郵政グループ)にかわされたが、神奈川の選手と並走を続けた。「攻めの走りを貫いた」。残り2キロを過ぎた地点で引き離し、表情をゆがめながらゴールに飛び込んだ。

 2017年にフルマラソンに初挑戦し、その後は恥骨の疲労骨折などで苦しんだ。慢性的に痛みがあり、この日は腰から右膝にテーピングを巻いて出場した。

 今年1月には、指導者を追って兵庫県を拠点とする実業団のシスメックスに移籍し、新たな環境に身を置いた。「来年は、さらに上の順位を目指したい」。石井は本県の過去最高順位4位を上回る成績を目標に掲げ、競技場を後にした。

 入賞立役者は中学生

 ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)する「中学生コンビ」が躍動した。3区の湯田和未(若松一中2年)は区間2位、8区の木戸望乃実(石川中2年)は区間6位と大舞台で勝負強さを発揮。レース後、互いの健闘をたたえ「チーム最年少で初出場だったが、入賞に貢献できて良かった」と口をそろえた。

 湯田は8位でたすきを受けると、序盤から積極的にペースを上げた。「先輩が良い順位でつないでくれた。全員を抜かす気持ちだった」。2人を抜かし、チームを6位に浮上させた。

 それでも、湯田は満足していない。昨年12月の全国中学駅伝でも1区2位で、「目標タイムには届かず、区間賞も取れなかった」と悔しさをにじませた。

 8区の木戸は1キロ過ぎで目の前を走っていた集団を捉え、12位から順位を四つ上げた。レース後、「自分のペースで走ることができた」と胸を張った。

 2人は小学生から陸上を始め、これまでの大会で何度か顔を合わせていた。湯田は「勝ったり負けたりで本当に強い相手」、木戸は「互いに高め合えるライバル」と存在を認める。
 「またチャレンジャー精神で練習し、一緒に県の代表に選ばれる選手になりたい」と湯田。さらなる成長を誓い、頼もしい姿を見せた。(三沢誠)

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