湯本・鈴木...『最後の夏』泳ぎ抜いた 県高体水泳代替・新人大会

 
感謝の気持ちを胸に、1500メートルを泳ぎ切った鈴木=郡山しんきん開成山プール

 第66回県高校体育大会代替大会水泳競技大会・第55回県高校新人体育大会水泳競技大会は26日、郡山市の郡山しんきん開成山プールで開かれた。代替大会では、女子の菅家綾美(日大東北3年)が400メートル個人メドレーと100メートル平泳ぎ、400メートルメドレーリレーの3種目を制した。新人大会では、男子は野矢育夢(尚志2年)が100メートル自由形で大会新、50メートル自由形で標準記録を突破。女子は、秋山栞名(福島成蹊)が100メートルバタフライを1分2秒43の大会新記録で制し、標準記録も突破した。

 大会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で開催された。代替大会には3年生45人、新人大会には1、2年生208人が出場した。全国の標準記録を突破した選手は、全国ランキングとして集計する「通信大会」にエントリーできる。また、新人大会の各種目上位4人は、10月23、24の両日に宮城県のセントラルスポーツ宮城G21プールで開かれる東北大会に出場する。

 たった一人...感謝の18分間

 一人きりで泳ぎ切った18分間。高校最後のレースの原動力は、恩師への感謝だった。男子1500メートル自由形に唯一出場した鈴木裕登(湯本3年)は「最後までやり抜くことができた。いまは達成感しかない」とすがすがしい笑顔を浮かべた。

 大会前、中学時代から指導を受けてきた佐々木泰雄コーチ(62)がスイミングスクールを辞めることを知った。水泳だけでなく人としても成長させてくれたという恩師。「遅くてもいいからタイムを出して、最後の感謝を伝えたい」と臨んだレースだった。

 インターハイ中止が決まった時、全国を狙えるほどに調子が上がっていた。それだけに中止を知った落胆は大きかった。「何のためにやっているんだろう」との思いが膨らんだが、佐々木コーチの「一番頑張っているのは分かってる」という言葉に励まされた。

 受験勉強との両立で練習時間は減り、体力は落ちていた。いつもは周りの様子を見ながら進めるレースもこの日は一人きり。がむしゃらに泳いでゴールすると、温かい拍手が会場を包んだ。「こんなに人に拍手を贈られたことはなかった」

 結果は目標には及ばなかったが、レース後は佐々木コーチからの「楽しんだか」という問いかけに、満面の笑みで応えた。鈴木は「周りに助けてもらってここまでやり抜いた。高校最後の区切りとして納得している」と胸を張った。

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