女子100メートル、福島成蹊・谷口が大会新V 福島県高体陸上

第69回県高校体育大会陸上競技大会は第2日の25日、とうほう・みんなのスタジアム(福島市)で男女13種目の決勝が行われた。女子100メートルで谷口紗菜(福島成蹊3年)が11秒96の大会新記録をマークし優勝した。男子100メートルは菅野凌平(いわき光洋3年)が10秒57、女子走り高跳びは三宅花音(かのん)(日大東北3年)が1メートル68でそれぞれ制した。
第3日の26日は、400メートル障害など男女9種目の決勝が行われる。
◇男子
▽100メートル〈1〉菅野凌平(いわき光洋)10秒57〈2〉渡辺裕斗(福島成蹊)〈3〉大堀快士(葵)〈4〉西郡亜蓮世(いわき秀英)〈5〉遠藤瑛汰(日大東北)〈6〉荒川太陽(橘)〈7〉泉谷翔(光南)〈8〉鈴木我空(日大東北)
▽5000メートル〈1〉谷中晴(帝京安積)14分29秒00〈2〉植村真登(いわき秀英)〈3〉増子陽太(学法石川)〈4〉馬場アンジェロ光(同)〈5〉郡司珀翔(田村)〈6〉国分遥哉(同)〈7〉村越柊哉(帝京安積)〈8〉安濃佑真(同)
▽5000メートル競歩〈1〉大竹雄大(郡山東)23分24秒75〈2〉長駿吾(会津)〈3〉遠藤千春(平工)〈4〉宗像稜喜(勿来工)〈5〉大関竜太(葵)〈6〉伊藤友仁(会津工)〈7〉長謙吾(会津)〈8〉岡和田頼輝(相馬)
▽400メートルリレー〈1〉日大東北(斎藤正弥、遠藤瑛汰、設楽昌舜、箭内洸斗)42秒13〈2〉帝京安積〈3〉葵〈4〉磐城〈5〉橘〈6〉会津学鳳〈7〉若松商〈8〉会津工
▽砲丸投げ(6キロ)〈1〉渡辺拓実(二本松実)14メートル29〈2〉中野悠翔(福島成蹊)〈3〉新妻大希(日大東北)〈4〉酒井佑真(同)〈5〉吉田光希(磐城桜が丘)〈6〉福井亜須磨(福島成蹊)〈7〉山口晄澄(日大東北)〈8〉高久将秀(ザベリオ)
▽8種競技〈1〉高橋駿士(会津学鳳)5221点〈2〉松本安友武(福島高専)〈3〉日比野匠(日大東北)〈4〉安部港斗(葵)〈5〉石井勇翔(清陵情報)〈6〉櫛田伊織(いわき光洋)〈7〉佐久間凜凰(日大東北)〈8〉柳沼詩音(同)
◇女子
▽100メートル〈1〉谷口紗菜(福島成蹊)11秒96=大会新〈2〉成田朱里(郡山)〈3〉陣野莉心(日大東北)〈4〉阿部朋香(郡山)〈5〉橋矢田朱里(郡山東)〈6〉竹本千夏(白河旭)〈7〉佐藤蓮華(日大東北)〈8〉小野ひなた(磐城桜が丘)
▽1500メートル〈1〉佐藤美空(学法石川)4分30秒53〈2〉山田桃子(同)〈3〉山口ありす(日大東北)〈4〉新明日和(会津)〈5〉橋本琴美(日大東北)〈6〉久下はる菜(田村)〈7〉小林華佳(安積)〈8〉千田瑠唯(相馬)
▽400メートルリレー〈1〉日大東北(佐藤悠、陣野莉心、佐藤蓮華、石川暖菜)47秒72〈2〉福島成蹊〈3〉東日大昌平〈4〉磐城〈5〉郡山東〈6〉ザベリオ〈7〉白河旭〈8〉葵
▽走り高跳び〈1〉三宅花音(日大東北)1メートル68〈2〉近内愛理(郡山)〈3〉星菜々花(福島東稜)〈4〉小池ゆあ(ザベリオ)〈5〉大畑璃々羽(伊達)〈6〉大谷佳純(白河旭)〈7〉佐藤柊花(東日大昌平)佐々木美樹(磐城桜が丘)亀山ひかり(安積)宮沢夏希(福島南)
▽走り幅跳び〈1〉加藤玲奈(福島成蹊)5メートル45〈2〉遠藤結(日大東北)〈3〉秋山真実(いわき総合)〈4〉本田玖妃(郡山商)〈5〉佐藤沙耶(ザベリオ)〈6〉佐久間友愛(光南)〈7〉芳賀ゆずゆ(相馬総合)〈8〉安部陽南(安積黎明)
▽円盤投げ〈1〉佐原琉那(安積黎明)33メートル75〈2〉鈴木嶺菜(郡女大付)〈3〉宗像亜恋(同)〈4〉杉内彩乃(同)〈5〉斎藤未由来(相馬総合)〈6〉湯田優愛(会津学鳳)〈7〉門脇玲奈(平商)〈8〉村山実優(会津学鳳)
▽やり投げ〈1〉野地菜那(福島明成)45メートル04〈2〉斎藤未由来(相馬総合)〈3〉高橋杏香(いわき湯本)〈4〉山口愛梨(安積黎明)〈5〉門馬穂乃華(日大東北)〈6〉宗像亜恋(郡女大付)〈7〉谷津田真子(原町)〈8〉寺内心咲(同)
「焦らず前に」13年ぶり更新
掲示版に大会新記録を表す「NGR」の文字が表示されると、驚きと喜びの両方の感情があふれ出た。女子100メートルの大会記録を13年ぶりに塗り替える11秒96で優勝した谷口紗菜(福島成蹊3年)。「前に前にという意識だけだった」と興奮気味に語った。
冷静なレース運びだった。スタートはあまり得意ではなく、決勝でも「出遅れたかな」と感じた。それでも「自分のレースを」と焦らず、腕を真っすぐ振ることと上半身が起き上がらないことを意識した。得意とする中盤以降はスピードに乗り、先頭に躍り出るとそのままゴールまで突っ走った。
1月、練習中に両足のアキレス腱を痛め、約2カ月間走ることができなかった。ウエイトトレーニングで上半身を鍛えたが、走り込みを徹底的に行った1年生の冬と比べると充実した練習を積むことができなかった。不安を抱えたまま迎えた今シーズンだったが、練習をしていく中で調子を上げ、2年連続2位に終わっていた悔しさを晴らした。
最高の結果を手にしたが、谷口は「東北で勝たないと意味がない」ときっぱり。「11秒8台で走りたい」。尽きぬ向上心を東北大会でぶつける。(熊田紗妃)