2度目の夢舞台「目指すところはてっぺん」 自転車・新田祐大

 

 東京五輪代表に4日内定した自転車の新田祐大選手(日本競輪選手会、白河高卒)。オンラインの記者会見で「目指すところはてっぺん。金メダルを目標に4年間やってきた。必死にペダルをこぎ続けたい」と2度目の夢舞台への思いを語った。

 自転車競技人生の集大成に位置づける東京五輪の切符を手にした。「日本人なら誰しも憧れる舞台。師匠(班目秀雄)も東京五輪に出場しているので熱い思いを燃やしていた」と振り返る。

 自転車競技に専念するために2016(平成28)年4月に自らトラックチームを設立。リオ五輪出場を逃した後は、競輪への出場機会を減らし五輪を目指すアスリートとしての道を進んだ。五輪へのあこがれは、12歳の時に見た長野冬季五輪。同じ自国開催の東京五輪へ心を奮い立たせた。

 会見では初出場した2012年ロンドン五輪で抱いた本県への思いも明かした。東日本大震災と原発事故が発生した被災地からの応援の声は今も糧になっている。「たくさんの思いを受け、人生のいろいろなものを得た。長い間、待たせたので(五輪内定を)報告できうれしい」。延期する東京五輪開催時は35歳。「自分に欠けている部分を成長できる」と前向きに捉え、頂へ照準を合わせる。

 恩師「気持ちの強さ結果に」

 家族や恩師らも喜びの声を寄せた。父一則さん(64)=会津若松市=は「リオ五輪代表から落選した時はすごく落ち込んでいたが、『もう一度挑戦しよう』と奮い立ち、乗り越えてくれた」と喜ぶ。「体つきが変わり、表情も大人っぽくなった」とわが子の成長に目を細め「あと1年、体に気を付けて頑張ってほしい」と願った。

 高校時代に指導した中野目啓さん(52)=修明高教諭=は「新型コロナウイルスで気持ちが沈んでいる中でうれしい一報」と話し、「五輪が1年延びたこともいい準備にできるはず。やり切ってほしい」と期待した。

 1964(昭和39)年の東京五輪に出場し新田選手を指導した班目秀雄さん(76)は「気持ちの強さの結果」と血のにじむような努力ををたたえる。自分と同じ自国開催の五輪に立つまな弟子に「まだまだ力が出せる。メダルを取ってほしい」とエールを送った。

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