野球とソフト「東京五輪トーク」 高橋由伸さん、中畑清さんら

 

 「来年はスポーツの力を見せつける年」。来年の東京五輪・パラリンピックの展望を語るトークショーが28日、読売新聞ホームページで無料ライブ配信された。プロ野球巨人の特別顧問高橋由伸さんら五輪経験者が出演し、本県でも競技が行われるスポーツの祭典を熱く語った。

 出演したのは高橋さんのほか、矢吹町出身の巨人OBで横浜DeNAの監督を務めた中畑清さん、ソフトボール元日本代表監督の宇津木妙子さん。「東京2020 復活!野球・ソフトボール 1年後を見据えて」と題して行われた。

 野球とソフトボールは福島市のあづま球場で行われる。宇津木さんは、新型コロナウイルスの影響で各国がまだチームを強化できないでいるとし「チームづくりはこれから。福島の初戦で選手がどう自分を出し切るか、今から楽しみ」と期待を込めた。

 東京五輪が1年延期されたことの選手への影響について高橋さんは「シーズン戦がある野球には影響ない」と断言。一方、ほかの競技は「4年に1度のタイミングにピークを持ってくるというところで、(来年までの)時間の使い方が大変なのではないか」と話した。

 視聴者からの質問にも答え、「ここぞで力を発揮するには何が必要か」との問いに、中畑さんは「裏付け」と返答。「どういう努力をしてきたか。自分を信頼する裏付けが必要で、それは練習しかない」とアドバイスした。

 トークショーは読売新聞社の主催。新型コロナウイルス感染防止のため、無観客でライブ配信した。

 ◆シドニー、アテネ、北京大会 選手の努力や気迫披露

 トークショーでは、監督や選手として出場した3人のかつての五輪のエピソードにも話題が及んだ。

 中畑さんは2004年のアテネ五輪で、長嶋茂雄監督の代わりに指揮を執ったことを振り返った。勝利した予選のキューバ戦で、松坂大輔投手(西武)が腕に打球を受けあざをつくりながらも続投。終盤に交代を告げると球を地面にたたきつけて悔しがったことに「松坂のすごさ、気迫を感じた。監督冥利(みょうり)に尽きる」と話した。

 宇津木さんは、現日本代表監督の宇津木麗華さんが2000年シドニー五輪で見せた打撃について紹介。シドニー五輪までの4年間、チェンジアップを大振りの空振りや見送りを続けていたが、本番の強豪・米国戦ではチェンジアップを狙って打った。4年間、チェンジアップを弱点と見せかけ続けた麗華さんに対して「彼女は女優ですよ」と笑顔で語る場面もあった。

 また、上野由岐子投手は、新たに覚えた変化球を隠し続けた上で2008年北京五輪に臨み、勝負どころだけで使った。「そこ(五輪本番)に合わせて準備をしてきたすごさを感じた」とこれぞ五輪というエピソードを明かした。

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