桃田賢斗、けが克服...復活のV3!全日本バドミントン・男子単

 

 東京・町田市立総合体育館で27日に行われたバドミントン全日本総合選手権男子シングルス決勝。鋭いスマッシュがコート隅に決まると、桃田賢斗(NTT東日本、富岡高卒)は左拳を握りしめ、勝利の喜びをかみしめた。選手生命に関わるような大けがを乗り越えてつかんだ3連覇。「不安が大きかったが、最後は気持ちで踏ん張ることができた」。1時間20分の激闘を制し、日本のエースが"復活"した。

 世界ランキング1位で東京五輪金メダル候補の男が、苦しみながら前に進んだ今年を象徴するような試合だった。第1ゲームを落とす苦しい立ち上がり。動きに硬さが目立ち、シャトルをネットにかけ、狙ったショットがアウトになるなど桃田らしくないミスが続いた。しかし、それでも負けないのが桃田。第2ゲームを取り返すと、最終の第3ゲーム終盤、互いに一歩も譲らない展開の中、正確なスマッシュやネット前に出てのプッシュなど、最も厳しい局面でプレーの精度とスピードを上げた。最後は3連続得点で優勝をつかみ取った。

 2020年は、シーズン初戦の地マレーシアで1月に交通事故に巻き込まれて負傷する波乱のスタート。病院に駆け付けた日本代表の朴柱奉(パクジュボン)監督に「僕はまだバドミントンができますか」とこぼすほどのアクシデントだった。後に眼窩(がんか)底骨折が判明し、練習を再開したのは2月末。「何でこんなに動けないんだろう、何でこんなに筋肉がなくなっているんだろう」。前年に史上最多の国際大会年間11勝を挙げた絶対王者の立場から一転、どん底からの再出発を余儀なくされた。

 その後、新型コロナウイルスの感染拡大で出場を確実としていた東京五輪は延期に。国内外の大会も延期や中止に追い込まれた。閉塞(へいそく)感が漂う中、桃田は黙々と地道なトレーニングを続けた。力強い攻撃力を身に付けるため肉体改造にも着手。約11カ月ぶりの実戦復帰の場には上半身の厚みが増した桃田の姿があった。

 復帰戦での優勝にも「ほっとはしているけど全然満足はしていない。もっと上を目指して頑張っていきたい」と桃田。国内戦を制し、来年は国外のライバルとの戦いも再開する。苦しんだ分だけ強くなった男が来年、東京五輪でその強さを証明する。

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