遠藤尚さん、思いつなぐシュプール 聖火リレー、トーチ手に滑走

 
トーチを手にゲレンデを滑る遠藤尚さんと地元の子どもたち=26日午後1時51分、猪苗代町

 希望のともしびが浜通り、中通り、会津地方と本県を横断し、磐梯山の麓にともった。「震災から10年での復興五輪。思いをつないでいきたかった」。遠藤尚さんは雄大な自然の中、スキーによる滑走で聖火をつないだ。

 遠藤さんを先頭にサポートランナーの猪苗代スキークラブの子どもたち20人が続き、猪苗代スキー場のゲレンデを滑り降りた。霧が濃い、あいにくの天候だったが、遠藤さんは「子どもたちが楽しそうだったので良かった」とほほ笑んだ。サポートランナーの岩橋菜乃さん(12)=長瀬小6年=は「遠藤さんが『心を一つにしてみんなで頑張ろう』と声を掛けてくれた。上手に滑れた」と満足そうだった。

 バンクーバー五輪で7位に入賞するなど冬季五輪に3度出場した遠藤さん。地元でランナーを務め「自分が五輪を目指した場所。3大会に出させてもらい東京五輪にも関われるとは」としみじみと語った。

 原発事故の風評被害が色濃く、コロナ禍で観光需要は落ち込んでいる。聖火はそんな古里を穏やかな光で照らした。「暗いニュースが多い中、聖火という明かりが福島から始まって全国を回るのは感慨深い」。ランナーが思い思いにつないだ聖火はきょう、本県でのフィナーレを迎え、全国へと旅立つ。

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