「聖火リレー走ってきたよ」元双葉南小校長、教え子にトーチお披露目

 
聖火リレーで使ったトーチを披露する泉田さん(右)。子どもたちは目を輝かせながらトーチに触れた

 東京五輪の聖火ランナーを務めた元双葉南小校長の泉田淳さん(61)=双葉町=は7日、東京電力福島第1原発事故に伴いいわき市にある双葉町立学校の仮設校舎を訪れ、双葉南、北両小の児童や双葉中の生徒に聖火リレーのトーチを見せ、「みんなの代表として走ってきたよ」と報告した。

 泉田さんは、町の子どもたちの元気や勇気を世界に発信しようと聖火ランナーに応募した。本来は教員生活最後の年となった昨年3月、聖火ランナーとして走る校長先生の姿を子どもたちに見せるはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でリレーは延期になった。あれから1年、教員は退職したが、3月25日の聖火リレー初日に、いわき市内のコースで無事聖火をつないだ。

 実際に聖火をつないだトーチのお披露目は、学校の休憩時間に行われた。「子どもたちが待ってます」と松本美穂子両小校長に促され、聖火リレーのユニホームを身にまとった泉田さんが階段を降りると、両校児童の拍手と元気な歓声が廊下に響いた。

 聖火リレー当日のようにトーチを持ち、ゆっくりと廊下を駆けた泉田さん。児童、生徒を前に「夢を持って努力すれば、きっと何かいいことがあると思う。頑張って」とエールを送った。児童たちは「めちゃきれい」「けっこう重い」と目を輝かせながらトーチに触れた。
 双葉北小6年の堀本泰成君は「トーチを見られてうれしい。夢や目標が見つかったら、少し頑張れそうな気がする」と話した。

 「泉田校長先生 がんばれ」。子どもたちから昨年贈られた応援の横断幕は今も宝物だ。教え子たちとの時間はあっという間だったが、子どもたちにトーチを見せることができた泉田さんは「このために走ったんだ。喜んでもらえてよかった。やっと務めを果たせた」と胸いっぱいの表情で笑った。

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