「合宿」準備へ着々 東京五輪まで1カ月、新型コロナ対策入念に

 
デンマークのカヌー選手団の事前合宿地になる阿武隈漕艇場。インターハイなどを控える高校生らの練習との競合が課題だ

 東京五輪開幕まで残すところ1カ月。新型コロナウイルスによる1年延期を経てようやく幕を開ける五輪本番に向け、各国選手団の事前合宿が各地で始まった。7月以降は県内でも事前合宿が予定されており、受け入れる各自治体は準備に余念がない。一方で合宿の中止も相次ぐ。

 「(来日の)日程が決まらない中、国への報告や検査の準備など業務量はどんどん増える」。ガーナ代表の事前合宿を受け入れる猪苗代町では担当者が準備に追われる。

 同国選手団は7月上旬に来日予定だが、まだ日程は固まっていない。陸上、ボクシングなど5種目の選手約20人以上の選手団は、新型コロナ対策で成田空港から貸し切りバスで町に入り、開会式直前まで町内を拠点に調整を重ねる。その間、毎日行う選手や接触者の抗原検査の検体採取は町職員が担当する。交流事業の実施も模索しており、町は「来日2週間後以降、町民と交流できないか検討したい」という。

 クウェートとデンマークが事前合宿を行う二本松市では、ようやく来日日程が固まってきたが、課題も多い。クウェートはイスラム教圏のためハラル食の準備が必要だが、宿泊施設ではどれだけ配慮すべきなのかが分からず、同国側との調整が続く。また、デンマークのカヌー代表が練習する阿武隈漕艇場は、全国高校総体を控える高校生も使うため、練習時間を分け、極力接触をなくすよう検討している。クウェートの競泳選手が練習する東和中では一時、水泳の授業を休む予定だ。

 郡山市は7月9日からハンガリーの競泳代表の選手とスタッフ55人を受け入れる。現在、国が示した案を基に市独自のマニュアルを作成しており、準備を重ねる。選手らの成田空港からのバス移動では新型コロナ対策として、途中休憩のサービスエリアに専用の仮設トイレを設置する方向で準備を進める。市によると、日程変更があったものの、宿泊するホテルなどに大きな混乱はないという。担当者は「いつもと違った環境で選手も調整が難しいはず。メダル獲得が期待される選手たちがベストコンディションに近づけられるキャンプにしたい」と意気込む。

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