【挑戦・東京五輪】陸上男子400障害・山内大夢 夢へ「一直線」

 
「チャンスをものにする」と意気込む山内大夢(早稲田スポーツ新聞会提供)

 会津若松市出身の若武者が日本代表争いに名乗りを上げた。「こんなチャンスはもう巡ってこない」。陸上男子400メートル障害の山内大夢(早大、会津高卒)は東京五輪出場を懸けた大一番、陸上の日本選手権(24日開幕)に挑む。

 度重なるけがや故障を乗り越え今がある。会津高時代に全国高校総体(インターハイ)で準優勝。期待されて早大に進んだが、入学当初から苦しんだ。椎間板ヘルニアや肉離れ。自分の体と向き合う日々が続いた。高校時代から「東京出場」を口にしてきたが、大会で満足のいく結果を残せなかった。しかし、五輪延期のこの1年が山内を変えた。

 コロナ禍で十分な練習ができない中、自分の走りを何度も映像で確認、分析した。チームメートの指摘も受け、どんな時にいい走りができているのかイメージを固めた。「走力も上がり、こうやったら49秒前半から48秒後半が出るぞというところまできた」。冬場も練習を重ね、理想の走りに近づいた。

 5月9日、照明がともった東京・新国立競技場。直前の静岡国際陸上で3位に入り、新国立競技場での五輪テスト大会の出場権をつかんだ。スタート前、山内の心は落ち着いていた。「不安もあったが、大会に出られることがうれしかった」。高揚感が力になった。スタートの合図で飛び出しテンポ良くハードルを越える。持ち味の後半、最後の直線で前を行く2人との差をぐいぐい詰めた。自己ベストを約1秒縮める48秒84で2位。「五輪の標準記録(48秒90)も切っちゃって、レース直後は興奮しっぱなしだった」

 このレースで山内を含む3人が標準記録を突破。すでに標準記録を超えていた安部孝駿(ヤマダホールディングス)を合わせた4人が代表争いの中心となる。日本選手権で3位以内に入れば、夢の舞台への出場が決まる。

 両親も学生陸上などで活躍し、現在は指導者を務める「陸上一家」で育った。山内は初出場だった昨年の日本選手権で5位に入ったが、国内最高峰のレースの緊張から体が動かなかった。今年は違う。「戦える実感がある。決勝に残り、優勝を狙っていきたい」と意気込む。

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