あづま球場「熱戦」、福島県民「感動」 五輪・ソフト

 
渥美万奈(手前右)の内野安打で生還し、サヨナラ勝ちを喜ぶ山田恵里(同左)=22日、福島市・あづま球場

 福島市のあづま球場で22日に行われた東京五輪ソフトボール競技で、日本はメキシコにサヨナラ勝ちを収め、2連勝という最高のスタートを切った。県民は本県初開催となった五輪競技での日本選手の躍動を喜ぶとともに、28日に同球場で行われる野球の「侍ジャパン」の活躍に期待を込めた。

 「福島で2連勝した勢いで優勝してくれたら、県民としてこれほどうれしく、誇らしいものはない」。東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く双葉町の会社経営福田一治さん(49)は日本の金メダル獲得を期待する。

 日本―メキシコ戦のチケットに当選していたが、無観客開催に。それでも「新型コロナウイルス禍では仕方がない」と割り切り、避難先の二本松市からテレビ観戦で声援を送った。勝利を呼び込む後藤希友投手の好リリーフに「俺は後藤選手に注目してたんだよ」と喜び、新型コロナでも奪うことのできないスポーツの面白さを満喫した。

 福島市の阿部理生さん(13)=北信中2年=もあづま球場で観戦予定だったが、現地での応援がかなわなかった。それでも「自宅で見ていてもプレーに力をもらった」と、心が動かされた様子だった。

 「つい先日までは『こんな状況で誰が見るの』と思っていたが、いざ始まると選手の気持ちになって応援したくなる」と話すのは、猪苗代町の大束勝子さん(77)。コールド勝ちした初戦も、接戦を制した2戦目も日本の戦いぶりをつぶさに見守った。「2戦目はすぐに追い付かれて冷や冷やだった。最後は勝つことができて、応援して良かった」と好発進に胸をなで下ろした。

 喜多方市の自営業三浦浩人さん(35)は、長男が会津工高野球部のため関心があるのはもちろん野球だ。「福島の地での開催はうれしい。観客が入った中で試合してほしかったが、選手は実力を発揮して頑張ってほしい」と28日の試合を楽しみにしている。

 西郷村の自営業永江綾香さん(41)は「コロナ禍での五輪開催にいろいろな意見はあると思うが、私はスポーツの力を感じている。侍ジャパンの選手には、福島の子どもたちの心に残る熱いプレーを期待したい」とエールを送った。

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