侍J、ソフトに続け!五輪野球開幕戦 福島・あづまから好発進

 
【日本―ドミニカ共和国】坂本の中越え適時打でサヨナラ勝ちし、歓喜の輪をつくる日本代表=28日、あづま球場

 福島に3度目の勝利を届けた―。あづま球場(福島市)で28日に行われた東京五輪野球の開幕戦。日本は9回裏に2点差をはね返して劇的なサヨナラ勝ちを収めた。ソフトボールから合わせて日本代表は同球場で3戦全勝。「(福島で)一球一球に魂を込める」(稲葉篤紀監督)との誓いが土壇場で"あづまの奇跡"を生んだ。

 「みんなでもぎ取った勝利」。9回裏1死満塁で中越えにサヨナラ打を放った坂本勇人(巨人)は、苦しみ抜いた末につかんだ白星を誇った。6回までわずか1安打の打線が、2点を追う最終回に目を覚ました。「みんながつないで、つないでいい場面になった。(三走を)返したい気持ちだけだった」と坂本。無観客で球場を包む木々からセミの鳴き声が響く中、交代したドミニカ共和国投手の1球目を豪快に振り抜いた。稲葉監督は「福島の皆さんに少しでも何か感じられるものを届けられたのではないだろうかと思う」と、3時間16分の熱戦の意義を強調した。

 始球式には、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長や、東京五輪・パラリンピック組織委理事でプロ野球ソフトバンク球団会長の王貞治さんも出席し、ソフトボールに続く本県での五輪競技開幕に花を添えた。この日を待ち望んでいた県野球連盟の花沢興一会長(80)は「子どもたちに見せてあげたかったのが本音だが、ここで世界各国の選手がプレーしてくれたことに感謝したい」と話した。

 あづま球場での日程はこの日で終了。「福島の皆さんが応援し、支えてくれたことに感謝している」と稲葉監督。24人の侍と共に、観客のいないスタンドに向かって深々と頭を下げた。

 サヨナラに県民沸く

 侍ジャパンのサヨナラ勝ちに県民も沸いた。

 スポ少で野球をしている会津若松市の菅井純誠君(門田小6年)は「坂本選手のサヨナラ打がすごかった。地元開催で勝てたのがうれしい」と笑顔。郡山北工高野球部の渡辺健太さん(16)も「トップレベルの野球が近くに感じられた。五輪を刺激にレベルアップしたい」と意気込んだ。

 学校連携観戦プログラムで観戦予定だった福島市の畠優莉さん(大鳥中3年)は「友達と見ることを楽しみにしていたので無観客は残念だが、野球とソフトボールの選手のプレーに勇気をもらえた」と感謝した。

 大熊町の新妻茂さん(72)は「ソフトボールも福島で初戦を迎え金メダルを取った。侍ジャパンも福島の力を背に被災地を元気づける熱戦を期待したい」とエール。観戦チケットに当選していた福島市の会社員高橋直也さん(29)は「最高の形で勝ってくれた。金メダルを狙ってほしい」とする一方、「有観客ならより一層、復興の姿を世界に発信できたかもしれない」と語った。

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