渡辺・東野組「銅」 バド混合複で日本勢初、ペア10年の歓喜

 
混合ダブルスで獲得した銅メダルを手に笑顔の渡辺勇大(左)、東野有紗組

 東京五輪第8日の30日、バドミントン混合ダブルスの渡辺勇大(24)、東野有紗(24)組=日本ユニシス、富岡高卒=は3位決定戦で香港ペアを2―0で下して銅メダルを獲得した。この種目で日本勢初のメダル。渡辺はバドミントンの日本男子として初めてメダルを手にした。今大会、バドミントンでの日本勢の表彰台も初めて。

 歓喜の瞬間が訪れた。東野が跳びはね、渡辺がコート上に大の字になって喜びを表現した後、ラケットを置いて抱き合った。富岡一中で東野が3年、渡辺が2年時に「余り者同士」としてペアを組んでから10年。苦楽を共にしてきた2人の口からは「ありがとう」の言葉があふれた。

 過去5戦5勝の香港ペアとの第1ゲームを21―17で先取した。70回を数えた長いラリーなど渡辺がレシーブ力を発揮した。第2ゲームは中盤に10―15とリードを許したが、足が止まり始めた相手とのラリーの我慢比べ。渡辺が正確なショットで後衛の男子選手を左右に揺さぶり、返球が甘くなったところを東野が仕留めた。16―16からは一進一退の攻防が続き22―21で迎えたゲームポイント。渡辺のサーブから数え15回ネットを越えたシャトルが相手コートにぽとりと落ちた。

 準決勝で中国ペアに屈し目標の金メダルには届かなかったが、気持ちを切り替えた。3位決定戦では完成度の高いコンビネーションがさえ、集中力も切らさなかった。渡辺は「東京五輪という大きな舞台でメダルを獲得できたのは誇りに思う」と胸を張り、東野は「混合ダブルスって楽しいんだと伝えられたらうれしい」と汗と涙の交じった笑顔を輝かせた。

 県勢の夏季五輪でのメダル獲得は、2012年ロンドン五輪の競泳男子200メートル平泳ぎで銅メダルに輝いた立石諒(郡山市育ち)以来、9年ぶり。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

全国高校選抜バド、ふたば未来男子V 女子は準々決勝敗退