相沢、円谷の魂と力走 五輪陸上男子1万「世界」追い掛け17位
57年前の東京五輪を駆け抜けた偉大な同郷ランナー円谷幸吉と同じように、陸上男子1万メートルの相沢晃(旭化成、学法石川高卒)が五輪のトラックを駆け抜けた。結果は17位だったが、「まだまだ世界との差が大きいと実感した」とすがすがしかった。
序盤はうまくレースの流れに乗り、15位前後に付けた。しかし残り4周(1600メートル)に差し掛かると一気にペースアップし、必死に前の選手を追い掛けた。
昨年12月の日本選手権1万メートルで27分18秒75の日本記録を樹立し優勝。五輪の1年延期で、円谷が五輪に出場した年齢と同じ24歳になった。胸に宿したのは円谷が座右の銘とした「忍耐」。五輪出場が決まると、地元の須賀川市や母校などからたくさんの声援が届き、「一人で陸上をやっているんじゃないんだと改めて実感した」と応援を力に変えた。
「円谷二世」として期待を一身に受けた東京五輪は終わった。でも相沢はまだ走り始めたばかり。「これからもたくさんの人たちの思いと一緒に走りたい」(坂本龍之)