33歳笠原「まだ先へ」パリ見据える ハンド男子

 
【日本―ポルトガル】後半、体を張ってディフェンスする笠原(中央)=国立代々木競技場

 決勝トーナメント進出は逃したが、1次リーグ最終戦で1勝を挙げたハンドボール男子日本。先発に名を連ねたチーム最年長の笠原謙哉(トヨタ車体、聖光学院高卒)は「この5年間で戦う集団になっていった」と、五輪で33年ぶりの白星を挙げたチームに胸を張った。

 1次リーグ突破には少なくとも4点差の勝利が第一条件だった。日本はGKを中心に粘り強くポルトガルの攻撃を防ぎ、コートの中央を守るピボット(ポスト)の笠原も身長190センチ台の選手がそろう相手攻撃陣に立ちはだかった。攻撃でも2得点し、1点差の勝利に貢献。試合終了のブザーが鳴ると「この五輪が終わったんだな」と感じたという。

 開催国枠で1988年ソウル大会以来、33年ぶりの五輪出場。笠原は「アジアで勝てず、欧州の下位にも勝てないところからステップアップした」と成長を実感する。信夫中1年からハンドボールを始め、競技人生は約20年になる。時間をかけて自らを高め、代表の守りの要へと成長を遂げた。「チーム最年長だが、まだまだ限界ではなく、先があると信じている」。東京での挑戦を終えた33歳のベテランは、3年後のパリ五輪も見据える。

信夫中恩師「子どもの励みに」

 福島市の信夫中で笠原を指導した高野久美子さん(57)は1日が自身の誕生日でもあり「最後の試合で勝ってくれた。まるで祝福してもらったような気分」と活躍を喜んだ。

 現在も同校ハンドボール部の顧問を務めている高野さん。2日の部活動の練習では、研究熱心で努力家だった笠原の姿勢を生徒に伝えるつもりだ。「同じ場所で練習していた人が日本を背負って戦う選手に成長したことは子どもたちにって励みになる」と力を込めた。

 聖光学院高時代の恩師、上野覚(さとる)さん(70)は「フォワードでも魅力的な選手。さらにレベルアップできる可能性があるので、現役を続けてパリ五輪を目指してほしい」とエールを送った。

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