五輪自転車スプリント・新田8月4日登場 恩師「力出し切れ」

 
新田も練習したトレーニング場で今も指導する班目さん(右)

 ロンドンに続く2度目の五輪となる自転車の新田祐大(日本競輪選手会、白河高卒)が4日、最初の種目となる男子スプリント予選に登場する。35歳の新田にとって集大成となる東京五輪。親元を離れ、高校時代を過ごした白河市では恩師が新田の活躍を願う。

 「彼は自分の目的を達成するために努力できる人。自分の力を出し切ってほしい」。高校時代に指導し、新田が恩師と慕う白河市の班目秀雄さん(77)は、2度目の五輪に挑むまな弟子にエールを送る。

 出会いは、新田が進学した白河高1年のころ。当時の同校自転車部監督から「成績が伸び悩んでいるのでアドバイスを送ってほしい」と相談されたことがきっかけだ。それから新田は高校の部活動が終わると、班目さんの自宅近くにある練習場に通うようになり、毎日午後10時ごろまで練習メニューをこなした。「諦めたら終わり。練習をすれば結果は付いてくるから死に物狂いで練習しろ」。そう言い続けた班目さんの言葉が新田を大きく成長させた。

 班目さん自身も自転車の五輪選手だった。大学生だった1964年の前回東京五輪、2人乗りのタンデムに出場した。結果は予選落ちと五輪は簡単に幕を閉じた。しかし、その後は指導者として長男の班目真紀夫や伏見俊昭といった五輪選手、メダリストのほか、多くの競輪選手を育ててきた。

 57年ぶりに東京で開かれる五輪。その舞台で今後は教え子がメダルに挑む。代表選出後、新田とは何度かメールや電話でやりとりした。「気持ちが高ぶっているから、練習をやり過ぎると故障につながってしまう。練習が足りないと思うくらいの方がいい状態が続く」とアドバイスを送った。新田はスプリントとケイリンの2種目に出場を予定する。班目さんは「ほかの国の選手にも負けず、表彰台に上ってほしい」と力を込めた。