「福島の息吹」感じた五輪閉会式 県勢選手の雄姿、伝えた強さ

 

 世界をつないだスポーツの祭典が幕を閉じた。色とりどりの参加国・地域の国旗がたなびく閉会式で、前回東京五輪のために古関裕而(福島市出身)が作曲した「オリンピック・マーチ」が奏でられ、福島の息吹を感じることができた。

 県勢アスリートは福島の強さを示してくれた。結果にかかわらず、幼い頃を知る人、歩みを支えた人たちは大舞台に立つ姿を誇らしく思ったはずだ。選手の口からは「感謝」「恩返し」といった言葉が続いた。大半の競技会場が無観客となり、雄姿を直接見ることはかなわなかったが、同じ競技に励む子どもたちの憧れとなり、新たに挑戦する勇気を与えてくれた。

 野球・ソフトボール競技が行われたあづま球場(福島市)を訪れた海外チームは県産のモモを絶賛、県産の食べ物がおいしく安全だと伝えた。メダリストに贈られたブーケには県産の花が使われた。アスリートの笑顔の傍らで咲くその花を見るたびに、五輪の感動を思い出すだろう。

 新型コロナウイルス感染拡大から1年の延期を経て開催された東京大会。「復興五輪」の理念の下、福島の今が十分に発信されたとは言い難い。コロナ禍の閉塞(へいそく)感も漂い、前向きになれないかもしれないが、選手たちのひたむきな姿から困難を乗り越える強さをもらった。五輪の記憶を胸にきっと前へ進めるはずだ。(坂本龍之)