「野球、ソフト優勝うれしい」「復興五輪遠のく」 反応さまざま

 

 8日に閉幕した東京五輪は、県民の心に何を残したのか。

 福島市のあづま球場では野球・ソフトボール競技が行われた。同市の会社員高橋秀行さん(47)は「有観客がいいのか、無観客の方がいいのか、最後まで判断が難しかったと思う。ぜひ会場で見たかったが、自宅でテレビを見て応援した。野球もソフトボールも両方負けなしの優勝はうれしい」と語った。

 活躍は、子どもたちの胸に火をともす。会津若松市の斎藤晴君(10)は「柔道の阿部きょうだいが印象に残った。努力して『きょうだいで金メダル』の夢をかなえたのはすごい。僕は野球をしているので野球もよく見た。五輪選手はとてもうまかった。まねをして自分も頑張りたい」と目を輝かせた。

 一方、新型コロナウイルスの感染拡大が、手放しで観戦を楽しめない状況を生み出した。郡山市の会社役員柏原秀雄さん(61)は「期間中に感染者が増えてしまったのは事実。無観客開催にしたことで経済的な損失を受けた人も多かったはずだ」と指摘する。マラソン競技などで観客が沿道に集まってしまったことにも複雑な心境だ。

 東京五輪は「復興五輪」であるはずだった。いわき市の自営業鈴木雄太さん(39)は「世界中の観光客が福島に来てくれれば『復興五輪』は体現できたと思うが、コロナ禍で遠のいてしまった。私の実家は東日本大震災の津波で流された。聖火リレーではいわきの海岸線を走り、復興した浜の姿を発信してほしかった」と、受け止めは辛口だ。

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