東京五輪のレガシー継承へ 福島・あづま球場競技開始から1年

 
1年前に東京五輪の野球、ソフトボールが行われたあづま球場。大会の誘致などでレガシーを継承し、地域の活力につなげられるかが問われている

 東京五輪のソフトボール競技が福島市のあづま球場で開幕してから21日で1年。あづま球場を試合会場としたソフトボールに続いて野球も新型コロナウイルス感染拡大で無観客開催となり、大会理念の「復興五輪」として当初期待された国内外からの誘客や情報発信などの成果は十分に得られなかった。だからこそ、関係者は東京五輪・パラリンピックのレガシー(遺産)を継承し、地域の活力につなげようと取り組みを続けている。

 「あづま球場の『聖地化』に向けた動きはこれからが本番です」。県スポーツ課副課長の堀江正樹さんは、あづま球場を巡る今後の展望を語る。堀江さんは今春、県オリンピック・パラリンピック推進室の解散に伴い、五輪関係業務を受け継ぐ同課に異動しただけに、レガシー継承への思い入れは人一倍強い。

 あづま球場では東京五輪以降、日本女子ソフトボールの新旧リーグの公式戦が行われた。8月6、7の両日には東京五輪開催1年を記念し、金メダルを懸けて争った日米代表による対抗戦が繰り広げられる。

 県ソフトボール協会の品田尚孝会長(59)は「東京五輪をレガシーとして継承していこうと各種大会が開かれてきた。聖地あづま球場を有効に使えている」と実感を口にする。日米対抗戦の受け入れ準備を進めており「次代を担う若い世代を中心に、多くの人たちに一流のプレーを見てもらい、競技の素晴らしさを知ってもらえるよう協会が働きかけていく」と強調した。

 東京五輪では福島市を訪れた海外チームが県産モモを絶賛したことが話題を呼び、県産品のおいしさと安全性がアピールされたのが目立った成果だった。このため福島市は、日米対抗ソフトボールに合わせ、選手や来場者らに地場産モモなどの農産物を振る舞い、消費拡大につなげる戦略を練る。市の担当者は「福島らしいおもてなしで福島の魅力を発信する」と意気込む。

 「戦国東都」としても知られる東都大学野球秋季1部リーグ開幕戦が9月3、4の両日、あづま球場と郡山市のヨーク開成山スタジアムで初開催されることも追い風だ。各種大会の誘致に成功し野球、ソフトボール競技の聖地化へ向けた足固めが着々と進んでいる。

 これらの試合には県が各主催者・団体と協力し、県内の子どもたちを無料招待していく。無観客開催だった東京五輪ではかなわなかったが、トップレベルのプレーを間近に観戦する機会を確保し、スポーツの感動を共有してもらいたい考えだ。堀江さんは「来年以降も継続して大会を誘致していきたい」と意欲を示した。

 理念の「共生社会の実現」 福島市、パラスポーツ振興

 東京大会の理念には「復興」とともに「共生社会の実現」も柱に据えられた。五輪開催地として「共生社会のまちづくり」を掲げる福島市は、パラスポーツの振興に乗り出した。各種パラスポーツ合宿・大会の誘致に取り組むほか、小中学校へのパラアスリート派遣、市長杯ボッチャ大会の初開催などに力を注ぐ。

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