「美術は大衆のため」 喜多方のギャラリー隠れ里、開設21年目

 
ギャラリー隠れ里のオーナーを務める疋田さん。「発見の連続だった」と20年の歩みを振り返る。

 喜多方市熊倉町雄国のギャラリー隠れ里が今年、オープンから21年目を迎えた。巨匠から新進気鋭の作家まで、個性豊かな企画展には県内外から多くのファンが訪れる。オーナーの疋田光男さん(79)は「あっという間の20年だった。5年以上かけて作品を制作してくれた作家や足を運んでくれるお客さん、支えてくれた地域のおかげ」と感謝を口にする。

 疋田さんは54歳の時に喜多方市の環境に心を引かれ、東京都から移住した。「自然豊かで過ごしやすい場所で暮らしたい」と50歳で大手機械メーカーを退職。コンサルタント会社などに勤めながら、移住先を探す中で出合ったのがここだった。「若い頃から山が好きだった。日本百名山の飯豊山が見えるこの地に住みたい」と思ったことが理由だ。

 「人がやっていないことを一つでもいい。やってみろ」。移住後にギャラリーを構えたきっかけは、機械メーカー勤務時にホンダの創業者故本田宗一郎さんからかけられたひと言だった。美術好きだったこともあり、「この山奥で地域住民が美術に親しめる場所をつくりたい」と決意した。

 企画展を開く際には、東京時代に出会った作家や全国の美術館などで気になった作家に声をかけた。「物珍しい作品やクスっと笑えるような作品など、多彩なジャンルをそろえた。お客さんに『エネルギーを感じて元気が出る』と言われるとうれしい」と笑顔を見せる。

 ギャラリーをオープンした時から疋田さんの信念は変わらない。「美術は大衆のためにある。大衆が触れやすくなければ意味がない。雄国の地からもっと多くの人たちにエネルギーや癒やしを届けたい」

 ギャラリーについての問い合わせは、隠れ里(電話0241・23・1638)へ。